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DigitalIllustration NFTart NFTartist OpenSeaartist Uncle Bear Tom キャラクターデザイン

OpenSeaNFT/UncleBearCorrection!

OpenSeaで公開しているコレクションの内、一押しのアンクルベアシリーズの売り出しを敢行!爆安でやってます!!

https://opensea.io/collection/unclebeartom
↑コレクションのURLです。画像にもリンクあり(^^)

 ETHで0.001っていうのは、およそで3$前後、日本円で300¥前後なんですかね?
 他にもありますがまた新しい仲間や別ポーズやシチュエーションを加える予定です。めでたく売れたらまた別のパターンを加えてもいいんですかね(^^)
 ちなみにカラー版よりも元となる線画のほうが高かったりするんですが、これは個人的なこだわりみたいなものがあるからで。

カラー版もリリースする予定です(^o^)

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ルマニア戦記/Lumania War Record #012

#012

↑一番はじめのお話へのリンクです(^^) ノベル自体はもろもろの都合であちこち虫食いだらけなのですが、できるところからやっていくストロングスタイルでやってます(^^;)

NFTアートはじめました!!

OpenSeaで昨今はやりのNFTのコレクションを公開、こちらのノベルの挿絵などをメインにアートコレクションとして売り出していきます! NFTアートと併せてノベルの認知向上を目指していきます(^^) 世界に発信、まだ見ぬ需要を掘り起こせ!!

https://www.lumania01.com/?page_id=4152

#012

 

 公海上の上空を最大戦速で駆け抜けた大型の巡洋艦は、やがてその速度を落として目標のXゾーン、戦況が混乱した戦闘海域もこの最深部へと突入する。

 試験運用も兼ねた主力エンジンの回転出力を落とすと、それまで艦内にやかましく響き渡っていたうなりと振動も一段落する。

 これにより無機質な電子音が鳴り響くブリッジにオペレーターの声が響くのが、頭上のスピーカー越しにもそれと聞き取れる。

 みずからのアーマーのコクピットのパイロットシートに腰を据える大柄なクマ族のパイロットは、目を閉じたままでじっと耳を澄ました。


「報告! 本艦、ただいまより当該の戦闘空域に突入! 全方位索敵、高度500、エンジン出力50に低下、機関安定状態を維持、周囲の状況にこれと目立った変化は見当たりません!」

「……うむ。高度そのまま、全艦、第一次戦闘待機から完全臨戦状態に移行。取り舵20、微速前進、周囲の警戒を怠るな!」

「了解! 全艦に通達、本艦はただいまより戦闘状態に突入、各自の持ち場にて任務の遂行をされたし。繰り返す、本艦はこれより全艦戦闘モードに突入、各自、周囲の警戒を厳にせよ!!」

「全艦、フル・モード! 艦長、メインデッキ、アーマー部隊、第一、第二、いずれも発進準備OKです!」

 すっかりと聞きなじんだ声の中に、会話の最後のあたりではじめて耳にするようなものが混じったが、それが先日、新しく艦に乗艦した副官の犬族のものだと察するクマ族の隊長さんだ。

※LumniaWarRecord #012 illustration No.1 ※ OpenSeaのコレクション「LumniaWarReccord」にてNFT化。ちなみにポリゴンのブロックチェーンです(^^) イラストは随時に更新されます。

「はは、こんな声してたんだ。なんかまだ堅い感じだけど、さては緊張してるのかな? 見た目まだ若い士官さんだったもんね! それじゃこっちもまだ若い新人のパイロットくんたちは、やっぱり緊張してたりするのかな?」

 そう目を閉じたままに、離れた別のメインデッキでみずからのアーマーで待機している、新人の部下たちに聞いてみる隊長だ。

 するといきなりのフリに、これとはっきりした返事はなかったが、ごくり、と息を飲むような気配が伝わってそれと了解する。

 余計な軽口はプレッシャーになるだけだろう。
 
 実戦を前に皆、自分のことでおよそ手一杯なのだから。

 それでいいやと納得していると、頭上のスピーカーから重々しげな声が響いてくる。

「皆、聞いているな? こちらは艦長のンクスだ。第一小隊、ベアランド少尉、用意はいいか? 先行する君たちの部隊に今回の戦闘はすべて任せることになる。本艦はアーマーがまだ手薄な都合、第二小隊は艦の護衛に残しておかねばなるまいからな」

 ベテラン軍人の不景気な声色に、だがこちらはしたり顔して明るくうなずくクマ族だ。

 おまけ肩を揺らしてハッハと笑った。

「あはは! 了解。ぼくらやってることはイタチごっこかモグラたたきみたいなもんだもんね? 終わりが見えない持久戦じゃ、戦力しぼっていくしかありゃしないよ。第二小隊のシーサーが我慢できたらの話だけど♡ そっか、あっちも隊員が新しく補充されたんだっけ? まだ見てないんだけどなあ……」


 ちょっと太い首を傾げて考え込むのに、また頭上からは別の声が早口にまくし立ててくる。

 これには閉じていた両目を開けてはっきりと返す隊長だ。

「ああ、少尉どの! 第三デッキの発射口、もとい、発進ゲートをオープンにします。外から丸見えになっちまうからいざって時のために注意しておいてくださいよ! あとそちらの発進シークエンスは特殊過ぎるので、後はデッキの若い班長どのにすべてを引き継ぎます! よろしいですか?」

「ん、了解! ドンと来いだよ♡ それじゃ、アイ ハブ コントロール! 新型機のお二人さんも行けるよね?」

 また左右のメインデッキ、第一と第二のカタパルトでそれぞれアーマーを発進待機させている犬族たちに問いかけた。

 すると今度はどちらもしっかりとした返事が返ってくる。

「りょ、りょーかいっ!!」

「いつでも行けます! 少尉どのが先にぶっ飛んだらこの後に着いて行けばいいんですよね? でもオレたちこんなしっかりとしたカタパルトははじめてだから、ドキドキしてますよ!!」

「ハハ! じゃあ発進のタイミングはこっちに合わせておくれよ、あとこっちのドライバーは不発もあり得るから、いざとなったら冷静に各自で判断すること! もたもたしてたら敵が来ちゃうから、先行して制空権を確保することは大事だよ?」

「了解!」

Lumania War Record #012 novel’s illustration No.2
OpenSeaのコレクション「LumaniaWarRecord」でNFT化。
こちらは通常のイーサリアム・ブロックチェーンです。
ノベルの挿絵と同時に更新していきます
。 


 新人でもこのあたりはしっかりと心得ているらしい。

 そんな歯切れのいい返答に満足してうなずくと、耳元のあたりでまた別の若い青年の声がする。

 発進作業をブリッジから引き継いだクマ族のメカニックマンのものだった。

「ベアランド少尉、発進引き継ぎました! リドルですっ」

 ただちに正面のモニターに四角いワイプが浮き出て、そこに見慣れた若い細身のクマ族の顔が映し出される。

 見慣れた光景から、デッキの管制塔の映像だとわかった。

 本来はブリッジの仕事をメカニックが兼任しているのだが、そこにちょっとしたひとだかりができているのが見てとれた。

 すぐ背後から物珍しげにでかいふとっちょのクマ族のベテランメカニックマンまでのぞいているのに苦笑いが出る。

「ふふっ、そんな見世物じゃないんだからさ……!」


 するとこちらは真顔で物々しげな物言いのメカニックの青年が、畳がけるようにまくし立てた。

「アーマーとのマッチング完了、マスドライブ・システム、目標と照準を設定、コースクリア! オールグリーン、いつでも行けます!! そちらも体勢はそのままでフロート・フライト・システムをプラマイゼロに、発射時のショックに備えてください! タイミングはそちらに任せますが、本格的な運用は今回がはじめてなので、出力はこちらで調整、まずは最大時の半分の50でいきます!!」

「ああ、了解っ、てか、電磁メガ・バースト式のマスドライバーでアーマーをかっ飛ばすなんて、このぼくらがはじめてなのかね? 砲弾やミサイルだったら聞いたことあるけど! でもどうせだったら100でやってごらんよ、遠慮はいらないから?」

 軽口みたいなことを半ば本気で言ってやるのに、如実にワイプの中のひとだかりにざわめきが走った。

 おまけ若い班長の顔が見る間に青ざめていく……!

Lumania War Record #012 novel’s illustration No.3
OpenSeaのコレクション「LumaniaWarRecord」でNFT化。
ノベルの挿絵と同時に更新していきます
。 


「そ、そんな! 無茶言わないでください!!」

「自殺行為だろう……!」

 悲鳴を上げるリドルのそれに、画面に映らないところからベテランの艦長の声がまじる。

 これに座席の右側のスピーカーからも、おそるおそるにした声が聞こえてきた。

「……てか、そんなやっかいなやり方で出撃する必要あるんですかね? 無理せず自力で飛び立ったほうがいいような?? マスドライバーって、響きからして危ない気がするんですけど」

「お、おれ、絶対に無理っ! 衝撃で機体ごとぺちゃんこになっちゃうもんっ……!!」

 左右からするおののいた声に苦笑いがますますもって濃くなるいかついクマ族の隊長さんだ。


「大丈夫だよ! そんなに華奢にはできてないさ、このぼくもこのランタンも! でもあいにくとでかくて頑丈なぶんにのろくさいから、こうやってスタート・ダッシュを決めないと戦略的に優位に立てないんだ。その場にのんびり突っ立って拠点防衛してるわけじゃないんだからさ?」

「いいえ、だからって無茶はしないでくださいっ、もう十分に無理はしているんですから! 出力は50で固定ですっ」

 好き勝手にはやし立てる周りのスタッフの声を押しのけてリドルが声高に宣言する。

 それにもめげずにまだ食い下がるベアランドだ。

「90! いや、だったら80に負けてあげるよ♡ 機体はそっちが整備してきっちり仕上げているんだから、できなくはないだろう? でなきゃ泣く子も黙るブルースのおやっさんの愛弟子の名がすたるってもんだし!!」

「お言葉ですが、師匠だったらこんな無茶、絶対に反対してますよ! アーマーはおもちゃじゃないんだから!! やってること大陸間弾道ミサイルの打ち上げと一緒ですからね? およそ人間技じゃありゃしないっ!!」

「了解、だったら75で手を打つよ、今日のところはね♡」

「っ!! わかりました、60で行きます! これ以上は引き下がりませんからね!!」

「毎度あり♡」


 やかましい駆け引きの末にワイプの人だかりが消えて、正面モニターの明かりが一段落とされる。

 ただちに秒読みが始まった。


「第一小隊、発進を許可する。さっさと出撃したまえっ!」

 せかすような艦長のンクスの声を合図に、スロットルレバーを全開に押し開けるベアランドだ。

「了解! それじゃベアランド、ランタンっ、こよれり当該戦域に向けていざ発進!!」

 轟音と共に緑色の大きな機体が巨大な巡洋艦の発進口から射出される! 風切り音を伴って空の彼方へと飛んでいくのだった。

 それから若干のタイムラグを置いて、二機の機体がそれぞれに艦を飛び立っていく。

 すべてがぶっつけ本番。

 新人の隊長と新人の隊員による、新型機のみで構成された異色の編成チーム、この本格的な部隊運用がはじまった。

               ※次回に続く……!

ノベルは随時に更新されます。



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DigitalIllustration NFTart Uncle Bear Tom

NFTアートに挑戦!! Uncle Bear シリーズ

Uncle Bear Tom -Uncle Bear Series-

 またしてもただの思いつきでおっぱじめてしまったキャラクターシリーズですね! 今回ははやりの暗号資産系artに挑戦ということで、自作のクマのキャラクターでいろいろとやってみるつもりです。果たして奇跡の一発逆転はありうるのか??

アンクル ベア トム -Uncle Bear Tom-

 シリーズのメインとなる(?)イメージキャラ、お得意のクマキャラをデザインしました。陽気で頼れるおじさん的なクマの親父さんです。ちょっとメタボなのが萌えポイントなのか?
 これのまずは線画とシンプルなべた塗りのカラーバージョンを出品して、反応がどのくらいあるのか、今後の試金石として重要な役割を担ったキャラクターです。果たして需要はあるのか??

Uncle Bear Tom/line drawing edition

 まずは最初の出品となる予定の、線画バージョンです。

Uncle Bear Tom/standard color edition

 次にべた塗りでカラーリングした、基本的なイメージとしてのキャラクター画像ですね。なんか違う?

Uncle Bear Tom/vivid color edition

 シンプルでもっとはっきりした色使いのキャラの画像です。
前述のスタンダードと比べてどちらがいいでしょうか?

 Uncle Bear Sam アンクルベア サム

 今度はシロクマがイメージのアンクルベアです。

 ※記事は随時に更新されます!

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DigitalIllustration Lumania War Record Novel オリジナルノベル SF小説 ファンタジーノベル ルマニア戦記 ワードプレス 寄せキャラ

ルマニア戦記/Lumania War Record #011

#011

「寄せキャラ」登場!!

※「寄せキャラ」…実在の人物、多くはお笑い芸人さんなどのタレントさんをモデルにした、なのにまったく似ていないキャラクター群の総称。主役のメインキャラがオリジナルデザインなのに対しての、こちらはモデルありきのキャラクターたちです。
 似てない部分をどうにかキャラでごまかすべく、もとい、ノリで乗り切るべくみんなでがんばっています(^o^)

  新メカ登場!!

Part1


「あ~ぁ、まいったなあ! あのクマのおじさんったら、やたらに話が長いんだから、余計なお説教くらっちゃったよ…!」

 ブリッジから直接また元のデッキに戻るはずが、艦橋を出た途端に出くわしたクマ族の軍医どのにがっちりと行く道を阻まれて、そこから思いの外に時間を取られてしまった。
 いざ艦の船底に位置するアーマーの格納されたハンガーデッキに出ると、そこはもうすでに一仕事終わったかのような落ち着きがあるありさまなのに、ぺろりと赤い舌を出してしまう。

「うへぇ、新しい航空タイプのアーマーが空から着艦するところをこの目で見てみたかったんだけど、間に合わなかったか…! ちゃんと無事に着いたんだよね、どっちも?」

 目ではそれと確認ができないが、この足下では何やらやたらにガタガタした物音や複数の気配があるのに、着艦したアーマーが既に専用のハンガーに格納されていることを察するクマの隊長さんだ。
 ならばこれとセットであるはず新人の隊員たちの姿を探すが、この視界にまずとまったのは新顔の犬族ではなく、日頃から良く見知ったオオカミ族の同僚のウルフハウンドであった。
 血気盛んな副隊長はみずからの一仕事を終えて今はしごくまったりとくつろいださまだ。
 そこに迷わず大股で歩み寄るベアランドはただちに明るく語りかける。

「あ、シーサー! もう戻ってたんだ? 無事で何より! それでどうだい、足回りを一新したきみの海洋戦仕様のおニューの機体は?」


 するとデッキの手すりにもたれ掛かってどこかよそを眺めていたオオカミ族は、金属の床を大きく踏みならして近づいてくるずぼらで大柄なクマ族に済まし顔して答えた。

「…ん、ああ、悪くないぜ? あの態度のでかくていけ好かないデカブツのメカニックめ、言うだけのことはあっていい腕をしてやがる。ただ元のノーマルとの換装に丸一日かかるとか言うのがいささか難ありなんだが…」

「ああ、そのくらいはいいじゃない♡ こっちも仕上がりは上々だったよ、偶然出会った敵の新型も軽くひねってやれたしね!」

「ほう? そいつは興味深いな、つまりはそっちのとおんなじ飛行型だろ? てか、どこも新型だらけだな、この艦の増援も新型機だろう? 俺が戻るのとほぼ一緒に入ってきたヤツら!」

「ああ、そうなんだ。でもそれ、あいにくとぼくはまだ拝めてないんだけど、それにつき新人のパイロットくんたちを知らないかい? どっちも若い犬族くんだって言う?? あ、そういやさっきここでは初めて見る顔の士官さんとすれちがったっけ? やっぱり犬族の???」

 のほほんとした隊長の問いに、それにはさして興味がなさげな副隊長の灰色オオカミはやや首を傾げて応える。

「ん、ああ、そういやいたな? マリウスとかっていう、この艦の副官さんなんだとよ。さっき合流したばっかの新型に便乗して今さらのご登場だ。つうかこれまで何してたんだか…」

「へえ、そうなんだ? 確かぼくらより一個上の階級の中尉さんだったよね? えらく深刻な顔してたけど、さては上司がスカンク族の艦長の部下じゃ犬族としてはそりゃ気が重いのかな。ブリッジじゃガスマスク首から下げてるオペレーターもいるし!」

「ふざけた話だな? だがあっちのはそういうわけじゃないんだろ。およそシャレが通じねえって顔してたからな。あと中尉じゃなくて、大尉だったはずだぜ、やっこさん? つうか階級章の見分けくらいひと目でつくようにしとけよ、大将!!」

「あはは! そうだったっけ? ちっちゃいのにやたらゴチャゴチャしてるからわかりづらいんだよ、あれってば。それはさておき、新顔のアーマーのパイロットくんたち見てないかい? ぼくの部隊に編入だから、さっさと顔合わせしとかないとさ♡」

「ああ…まあ、それっぽいの見たには見たが、なんだかな…」

「?」


 かくして何やらやけに白けたさまで視線をよそへと流す相棒に妙な違和感を感じながら、ふたりのパイロットたちが向かった先を言われたとおりにたどる隊長だ。
 相棒の証言のとおり、ちょっと意外な場所にいた2人組の犬族たちへとゆっくりと近づいていく。

 そこでほけっと立ち尽くす2人の新人パイロットたちは、見ればこの隊長であるじぶんの大型アーマーを格納した特大サイズのハンガーデッキを見上げてひたすらに驚いているようだ。
 ふたりとも目がまん丸で口が半開きだった。
 体型やや太めでやたらにふさふさした長毛の犬族に、もうひとりはすらりとした長身でこざっぱりした短毛の犬族である。

 何事か小声でぼそぼそと言い合っているのに、苦笑いで頭のまあるい耳を澄ます隊長だ。
 するとぼさ髪の犬族がおっかなびっくりに軍の秘密兵器たるギガ・アーマーを見ながら言う。

「す、すごいな、こんなの見たことない…! すっごく大きくて、なんかとってもおっかない…!! おれ、おれこんなの動かす自信ない。まるでそんなイメージが湧かないっ…!」

「ああ、確かにな? つうか、なんでこんなにでかくてグロテスクなんだ? こんなんで空なんか飛べるのか? 俺たち飛行編隊に編入されるんだろ。いったいどんな隊長なんだろうな…??」

「あっ、お、おっかないクマ族なのかな、やだなっ…!!」

 ひどくビクついたさまで身を縮こめる毛むくじゃらに、ちょっと冷めた調子で肩をすくめる相棒だ。
 赴任したてで場慣れしていないのが傍目にもそれとわかる。
 見るからにそわそわしたさまの新人たちは、しまいにはこれって何人乗りなんだろうな?なんて頭をひねり始めるのだった。  

 おやおや…!

 およそ軍人らしからぬ世間知らずな学生さんみたいなありさまにはじめ苦笑いがやまない隊長だ。

 言葉の通りで異様な見てくれをしたまさしく怪物アーマーをおっかなびっくりに見上げたまま、こちらにはまるで気付かないのがおかしくもありどこか心配でもあり…。
 それだからせいぜい当人たちを驚かさないよう穏やかな口調で語りかけてやった。

「ふふん、ひとりだよ♡ 通常サイズの汎用型アーマーと一緒で、きみらのとおんなじだよね! と言うか、ふたりともこんなところで何をしているんだい?」

 不意の登場だ。

 これにふたりの犬族たちはハッとこちらを振り返るなりにすぐさま敬礼!

「え、あ、うわっ、じょ、上官どのに、けっ、敬礼!」

「わわわわわっ!!」

 およそこれが軍属とは思えない大した慌てっぷりに、本当に吹き出してしまうベアランドだ。
 じぶんは軽くだけ敬礼を返して楽にしなよと態度でうながす。

「ふははっ! いやいや、そんなに偉くはありゃしないよ♡ ぼくだって言ったらまだ新人さんなんだから! にしてもきみら、ほんとに若いよな?」

 学生にしか見えないよと冗談まじりで言ってやったら、当人たちは思いの外に神妙な顔で黙り込んでしまう。
 あれ、ひょっとして図星を突いてしまったのか…?とやや複雑な心境になる隊長は、あえてそれ以上は触れないで話を戻した。

「…ん、まあ、みんないろいろあるよね! ところで、このぼくのランタン、もとい、ギガ・アーマーがそんなに珍しいのかい? 見てたらさっきからずっと眺めてるけど??」

「あっ、は、はい! て、た、たたっ、隊長どのでありますか!? うわっ…」

「あ、え、わわわわわっ、ごごご、ごめんなさいっ!!」

 それはそれはひどい慌てっぷりにいっそこっちが恐縮してしまうクマの隊長だ。

「あらら、まいったな。何をそんなにあやまることがあるんだい? ま、確かにこんな見てくれではあるけれど、それでもそっちのアーマーほどじゃありゃしないだろう? ブサイクででかくて強面で! さすがは軍部肝入りの新兵器ってカンジだよね♡」

 いまだおっかなびっくりの新人たちだが、それでも長身の方はまだ性格がしっかりしているらしい。ただちに気を取り直してじぶんよりもずっと背の高い大柄なクマ族に向き合う。
 となりのボサボサはごくりと生唾飲み込んだきりだ。

「失礼しました! えっと、その、ひとりで、でありますか? こんなデカブツ、じゃなくて、大型のアーマー! この機体制御ならびに火器管制その他もろもろを、たったのひとりで…!?」

「ぜっ、絶対に、ムリ…!!」

 騒然となる新人たちにでっかいクマの隊長さんはいやいや!とへっちゃらな顔でのほほんと応える。

「もちろん! ま、確かにこのクラスならメインとサブの副座式、いわゆるタンデム型のコクピットシステムってやつが言わばお決まりのイメージなんだろうけど、それはそれでコンビの熟練度ってものが問われるだろ? あとこのぼくに合わせろってのもなかなかにしんどいみたいだしね、あはは♡」

「はあ…!」

「ひ、ひとりでなんてムリだよ! でもこんなおっかないクマ族の隊長さんと2人乗りなんて、おれ、できる気がしない…」

 絶句したり震え上がったりと見ていて飽きない新人たちだ。  
 おかげで強面のクマさんが思わず破顔してしまう。

「おっかなくなんかないよ、いやだな!」

 こう見えて人懐っこい性格なんだから!とウィンクしてやるに、言われたワンちゃんたちはびっくりしたさまで互いの目を見合わせる。
 どうやらこの見てくれも性格もこれまでには会ったことがないタイプの上官であるらしい。おそらくは群を抜いて。
 よって種族や階級の違いなどおよそお構いなしのクマの少尉どのは、鷹揚なさまでまた続けるのだった。

「ま、ぶっちゃけまだ開発途上の機体だから、これってば。それでもうまいことひとりでやれるようにはなっているんだよ? オートパイロットシステムって擬人化AIやら何やら…ま、きみたちにはわかんないよね!」

 屈託の無い笑みでさも頼れる兄貴然とした隊長に、固かった表情が次第にほぐれてくる新人たちだ。
 ベアランドはよしよしとしたり顔してうなずいてやる。

「まあ、要は慣れだよね! こんなブサイクでいかつい見てくれしてるけど、実に頼れる相棒なんだよ。どのくらい頼れるかは、実際に見てのお楽しみとして♡ それじゃ、次はきみたちのも見せてほしいな、期待の次期主力量産機ってヤツをさ?」

 意味深な目付きをくれてやるに、当のふたりはまた神妙な顔つきして互いの目を見合わせる。
 それきり無言だ。
 その微妙な雰囲気をそれと理解する隊長だった。


「ああ、ま、とにかくよろしくね! ぼくらこれからひとつのチームになるんだから。ん、てことで、隊長のベアランドだよ。きみらのことはすでに戦績表(スコア)をもらってるからある程度は把握してるんだけど…えっと」

 ふたりの犬族たちの顔を見比べるクマ族の隊長は大きくうなずいてしごく納得したさまで続ける。

「そうだな、そっちのモジャモジャくんがコルクで、そっちのノッポくんがケンスだろ! 階級はとりあえず准尉で、実はまだアーマーのパイロットになってから一年も経たないんだっけ? なのに新型機のパイロットだなんてふたりともすごいよなあ!!」

 あっけらかんと言い放ったセリフにしかしながら言われた当人たちはただちに恐縮してすくみ上がる。

「い、いえっ、飛んでもありません! 俺たちそんなに大したもんじゃあ、前の隊長からはお互いに貧乏くじを引かされたって笑われてましたから。こんなアーマーをひとりで任されている少尉どのとは比べるべくもありませんっ…!」

「よ、よろしくお願いします! あの、その、ベア……ド、隊長っ…おれ、一生懸命がんばりますっ、まだ知らないことばかりですけど、ケンスと、一緒にっ…」

 よほどのあがり症なのかぎこちない挨拶をする毛むくじゃらの犬族に、こざっぱりした短毛種の犬族があいづち打ってあらためて自己紹介してくれる。

「今日付でこちらに赴任してまいりしまた、ケンス・ミーヤン准尉であります! あとこっちが…」

「あ、こ、ここ、コルク・ナギであります! あ、あと、じゅっ、准尉でありますっ!!」

「うん、知ってるよ。よろしくね♡ さてと、新型兵器の見学会はもう終わりでいいかい? 今度はそっちの新型くんの紹介をしてほしいんだけど、あいにく長旅で疲れてるだろうから休ませてやれってここの艦長からは言われているんだ。てことで、ここは一時解散かな?」

「は、はいっ…!」


 まだ力が抜けていないふたりを楽しく見てしまうベアランドだが、脳裏にふとある人物の顔がよぎってまた口を開く。

「そうだ、あとでこの艦の中をざっと見て回ろうよ、探検がてら! ぼくもここに来て日が浅かったりするんもだからさ…あ、そっか!」


 何かしら思い出したふうな隊長に、目をぱちくりと見合わせる隊員たちだ。
 新隊長のベアランドはペロリと舌を出して見上げてくる犬族たちにいたずらっぽい笑みで言う。

「そうだった、まずは軍医のおじさん先生に、メディカル・ルームに連れてくるように言われていたんだった! そうさぼくらメンタルやフィジカルのケアも大事な任務の一環だろ? ちょっと口うるさくて力加減のわからないおじちゃんなんだけど、性格は温厚で優しいクマ族の大ベテランだから♡」

「は、はあ…」

「また、クマ族…!」

 さては大柄で屈強な輩が多いクマ族に苦手意識でもあるのか、ボサ髪の犬族が青い顔色でうつむく。
 まるでお構いなしのベアランドは笑ってさっさとこのきびすを返した。

「へーきへーき! 見たカンジはとってもチャーミングなドクターだから♡ 案内してあげるよ。ひょっとしたら二番隊の隊長のシーサーもいるかもしれないし! そこで解散だね」

 それきりさっさと大股で歩き出すマイペースな隊長に緊張でシッポが下がり気味の犬族たちがとぼとぼとくっついていく…!

 かくしてこれが何かと問題ありな第一次・ベアランド小隊、人知れずした結成の瞬間であった。

Part2


 翌日、早朝――。

 まだ人気のまばらな艦の船底のハンガーデッキに、全身が濃緑色のパイロットスーツ姿の大柄なクマ族が、ひとり。

 無言で目の前のハンガーに格納される戦闘用の人型アーマーをただじっと見つめていた。
 その全高が10メートルを軽く超えるアーマーは横並びに二体あり、どちらも同じ見てくれと仕様の同型機に見える。
 かねてよりウワサの新型機だ。

 難しい表情で空中機動戦闘特化型の量産汎用機を見上げていたベアランドは、フッと軽いため息みたいなものをついてはどこか冴えない感じの感想を漏らす。

「あ~ん、何だかなあ…! 見たカンジは悪くはないんだけど、どうにも判断てものがしかねるよねぇ? この新型くん♡ 乗ってる子たちに聞いてもあんまりパッとした反応がなかったし…」

 これの専属パイロットである新人の隊員たちは、経験が浅いのも手伝ってまだ新型機の性能を全ては引き出せていないし、満足に把握も出来ていないらしい。

 おのれのと同様に、試験的な運用から実証まですべて現場任せなのかと呆れてしまう隊長に、申し訳なさそうに身を縮こめるばかりの犬族たちだ。

「ふうむ、やっぱり動いてるところを見るのが一番なのかね? 現行の量産型に乗っていた時はふたりともそれなりにいいスコア(戦績)を出してるから、パイロットにはこれと問題がないとして…おっ!」

 ウワサをすれば影で、口に出していた犬族がふたりしてそろってこの顔を出してくる。タイミングばっちりだ。

 どちらも同郷の言えば幼なじみらしいのだが、それが戦闘のコンビネーションを確実なものとする大きな要因であるならば、なんとも皮肉なことだと内心で思う隊長だった。

 背後で気配を感じたままこれと迎えることもなくのんびりと突っ立っていると、ふたりとも今はすっかり落ち着いたさまでこの両脇にそっと寄り添ってくる。
 視線を上に向けたまま、かわいいもんだなとかすかに口の端で苦笑するベアランドだ。

 ほんとに学生さんじゃないか…!

 あえて詳しくは聞かないが、履歴書にある公称の年齢と実際の年齢に少なからぬ誤差があることをあらためて確信していた。

 チラとそちらに視線を向けてやる。

 すると見てくれの暑苦しい毛むくじゃらの犬族は相変わらず冴えない顔つきで、まだどこか眠たそうだ。
 こんなぼんやりしたカンジで個人のスコアで星(ホシ)を少なからず付けているのがにわかに信じがたい思いの隊長だが、それはこれから確かめてやれると密かな楽しみにもしていた。

 他方、相棒とは打って変わってこの性格しっかりとして見てくれもシュッとしたノッポの犬族くんも、短いパイロット歴ながら撃墜マークのホシはしっかりと獲得していた。
 どちらも実際の年齢を考慮したら驚くべきことだと喉の奥でうなるベアランドだ。この現実の言い知れぬ皮肉さ。

 まだ子供なのにね…!

 そんな隊長の複雑な胸の内も知らないノッポくん、しっかり者のケンスがそこで一息つくとハキハキとした言葉を発した。

「おはようございます! 隊長!! ずいぶんとお早いんですね。出撃までまだだいぶ時間がありますが…?」

「お、おはようございますっ、ベア…あ…隊長っ」

 この相棒に続けてどさくさ紛れで声を発したのはいいものの、歯切れが悪くておまけもごもごと尻切れトンボで終わってしまうボサ髪のコルクだ。
 まだ寝ぼけているのか、隣でケンスがあちゃあ!みたいな顔しているのが見なくてもそれと分かった。

 ははん、書類上の経歴でウソはつけても実際は隠しきれないもんなんだよな♡

 内心でまた苦笑いして目線をそちらにくれるベアランドだ。

「ベアランドだよ♡ そっちこそ、早いじゃないか? 実際の出撃命令が出るのはまだ2時間くらい先だろ。とりあえずこの30分くらい前に集合って、そう言っておいたはずなのにさ」

「あ、その、緊張のせいか、目が冴えちゃって、おれたち…! 今さら寝付けないから、いっそスタッフさんたちの邪魔にならない時間にスタンバっておこうかなって…」

 まず臆病者の毛むくじゃらに言ってやるとこれがすぐさま目を逸らされるのを気にしないでもう片方の相棒に向く。
 ケンスはちょっとバツが悪そうな苦笑いで困ったさまだ。
 まさか隊長さんと鉢合わせするとは思っていなかったらしい。

「そっか、ふたりとも相部屋なんだよな。居心地はどうだい?」

 あえてまた右手の太めの毛むくじゃらに向かって言ってやると、言われた当人はビクっと反応しながらしきりとうなずいてつたない返答を吐き出す。

「は、はいっ、と、とっても快適、ですっ、あんなにきちんとした個室は、生まれてはじめてかもっ、べ、ベアランド、隊長…」

 すかさずこの横から個室じゃなくて相部屋だろ!と訂正されるコルクに苦笑いでうなずく隊長のクマ族だ。
 上官の名前がちゃんと言えてるんだから問題はない。

「うん。そっか、そいつは良かった♡ ふたりとも朝食はこれからだろ? 後でみんなでブリーフィングがてらにどうだい。直前じゃゲップが出ちゃうし、みんなで食べたほうがおいしいよ」

「は、はいっ!」

 見てくれのおっかないクマ族の隊長を前にするとどうしても肩から力が抜けない新人くんたちだが、これから実際の出撃を待っているのだから仕方ないと了解する。
 いざひとたびこの船を飛び立てば、そこはまさしく命がけの戦場だ。

「まあ、それはさておき、いい機体、なんだよね…? この面構えはぼくのランタンなんかよりずっと男前だし! まあ、いろいろとビミョーなうわさが飛び交ってる実験機ではあるけれど…次期主力機候補ってのがかなり眉唾(まゆつば)、みたいなさ?」

「…!」

 若くして軍に入隊して(させられて?)まだ右も左もわからないだろう新兵が、それでもうわさばなしくらいはその耳にすることはあるのだろう。
 昨日の少ない会話の中では、ちょっと前まで指揮を執っていた中尉どのはとても部下思いのいいおやじさんだったらしい。
 だったらなおさらだとここはちゅうちょ無くものを言ってやる新隊長だ。

「ちなみに知ってるかい? これって本来はもっとずっと別のところで使うために開発された機体の言わば雛形(ひながた)みたいなもんで、あくまでテストケースに位置づけられるものなんだって? まあ、ホントかどうかはさておいて…」

 振り返って見たふたりの新隊員の内、向かって左のぽっちゃりがうつむくのに対して反対側のほっそりが反射的に何もないはずの天井を見上げたのをそれと確認して、なるほどとうなずく。

 前任者はほんとにいい隊長さんだったんだね♡

「このビーグルⅥ(シックス)は戦場では希な機体でとどまるんだろうけど、だからって見下げたもんじゃありゃしないさ。なんたって軍の技術の粋を集めた機体なんだから! そうだろ?」

「はい…!」

 これにはふたりともしっかりとうなずくのに心配しなくていいよとこちらも力強くうなずく。

「これの本チャンがいわゆるビーグルⅦ(セブン)で、もしそっちに乗る機会があったらむしろラッキーじゃないか。ここでの経験をまんまフィードバックできるし、より負荷がかかる重力大気圏内での運用経験はそれはとんでもないアドバンテージだよ♡ どこでだってきっと互角以上に戦えるから…!」

 言っていること果たして理解できているのかできていないのか、冴えない表情を見合わせる新人たちにともあれで明るく笑うベアランドだ。

「ま、じきにわかるさ! それよりも本来の主力機を手に入れるのが先かな? ちょっと前にそれに近いのと偶然に会敵したんだけど、なかなかいいカンジだったよ。これにはだいぶ手こずったみたいだけど、その分に楽に扱えるよ、きみたちなら…」

 いよいよ顔つきが困り果てるばかりの部下たちに上官のクマ族も思わずこの苦笑いを強める。

「はは、いきなりあれやこれや言われても処理しきれないか! ま、今はとにかく目の前のことに集中すればいいよ。…ん、あっと、またお客さんだね♡」

「…!」

 頭のまん丸い耳を左右ともピクピクさせるベアランドが目でそれと示す先に、犬族たちもそこに新たな気配と足音がするのを察知する。
 また別の方向から軽やかなステップで走り寄ってくる細身のスタッフらしきを怪訝に見つめるのだった。

 その格好からしたら若いメカニックマンらしきは、三人の目の前でぴたりと立ち止まると即座に敬礼する。
 それからハキハキした口調で挨拶を発するのにはビビリの毛むくじゃら、コルクがシッポを立たせて後ずさりした。

「おはようございます! みなさんもうおそろいでしたか、こんなに朝早いのに!」

「ああ、まあね! いざこの船が戦闘空域に突入したらみんなでバタバタするから、落ち着いてやるにはこのくらいからでないとさ。いう言うリドルも早いじゃないか、てか、この新型は受け持ちじゃないよね?」

 事実上、じぶんのアーマーの専属メカニックとしてこの艦に乗り込んでいる若いクマ族に聞くと、それにはまっすぐにまじめな応えを返す根っからの機械小僧だ。

「はい! ですがじぶんもやはり興味がありましたので。スタッフさんが取り付く前にこっそりのぞいてみようと…! あはは、でもまさかこのパイロットの方達に会えるとは思いませんでした! スーツが違うからひと目でわかりますね?」

「ああ、確かにね! ふたりともここじゃ他にいないタイプの新型のパイロットスーツだ。色も全然違うし? でもそれもいろいろと難ありなんだよね?」

 しげしげと頭から足下を見回す隊長に、ふたりのクマ族に見つめられる部下たちはちょっと困惑したさまでうなずく。
 毛むくじゃらはなおのこと深くうつむいてしまった。

「はあ、まあ、おれたちみたいな犬族にはほんとにありがた迷惑な機能ですよね。スーツにトイレの機能を搭載しちまうなんて。みんな嫌がっておれたちみたいな新人に回されてきたようなもんだから、正直、使う気になれないですよ…!」

 げんなりしたケンスの言葉に、おなじくげんなり顔のコルクがひたすらうんうんとうなずく。
 苦笑いでしか答えてやれないベアランドは吹き出し加減だ。

「ふふっ、ニオイの問題は当然クリアしてるんだろ? アーマーにだって簡易式のそれはあるんだから、いらないっちゃあいらないんだけど、さては用を足すヒマも惜しんで戦えってことなのかね? ひどいはなしだよ!」

 冗談ごととじゃないですよとうんざり顔の犬族たちにそのうちに新しいスーツが支給されるよと気休めを言って、ベアランドはリドルを目で示して紹介する。

「丁度よかった、ふたりともこの子、ぼくの専属のメカニックははじめてだろ? リドルだよ。ぼとくおんなじでクマ族の男の子! あと、見ての通りで若いんだけど、たぶんきみらとおんなじくらいじゃないのかな? よろしくしてやってよ♡」

「はいっ、リドル・アーガイル伍長であります! ベアランド隊のチーフメカニックを主たる任務としておりますが、特に新型の少尉どの専用のアーマーを任されております。以後、よろしくお願いします!!」


 言いざままたもやびしっときれいな敬礼するのに、ふたりの若い犬族たちもこれに慌てて敬礼を返す。

「ケンス・ミーヤンであります! どうぞよろしく!」

「ああっ、こ、コルク、ナギであります! じゅ、准尉ですっ」

「あはは、なんだかとっても人柄の良さそうな隊員さんたちですね? 実はもっとおっかないひとたちを想像していたんですけど、良かったです!」

 朗らかな笑みで胸をなでおろすリドルに、ベアランドは肩を揺らして合点する。


「ははは! でもこう見えてもふたりともとっても優秀なんだよ? ちゃんと星も持ってるし、こうして新型機を任されるくらいなんだから! ま、リドルもアーマーの操縦はできるし、ホシだって持ってるんだからどっこいどっこいなんだけど!!」

 豪快に笑ってぬかした隊長のセリフに、だがこれを聞かされる周りの犬族たちがただちに色めき立った。
 ギョッとした顔で目の前に立つ若いメカニックマンをひたすら凝視してしまう。

「は、はいっ? このメカニックマンどの、撃墜マークを獲得しているのでありますか?? おれたちと同じ戦場で!??」

「え、え、ええっ、なんで?? メカニックなのに…???」

 ひどい困惑とともにジロジロと見つめられて、当の細身のクマ族の青年はこちらもひどい当惑顔でこの身をすくませる。

「あ、いえ、その…! ベアランドさん、そのはなしは無しでお願いします。このぼくも欲しくて獲ったものではないので…」

「?????」

 なおさらギョッとなる犬族たちに苦い笑いを向けて曖昧に肩をすくめる隊長だ。あらためて三人に向けて言ってやった。

「はは、まあ、いろいろあるんだよね、人生! それはさておき、朝食にしようか。みんなそろったんだから丁度いいや。リドルはこの機体がお目当てなんだろうけど、パイロットの生の意見や感想を聞くのもきっとためにはなるだろう?」

「あ、はい! それはぜひとも。よろしいでしょうか?」

 いかにもひとのよさげであどけない表情のクマ族のメカニックマンの言葉に、こちらもまだあどけなさが残る犬族の新人パイロットたちが目を見合わせる。頭の中は大パニックだ。
 もはやうなずくより他になかった。

「ようし、それじゃあみんなでレッツ・ゴー!! まだ出撃までには時間があるからたらふく食べようよ、あといろいろと楽しいミーティングもね? 聞きたいこといろいろあるんだ♡」

 これよりおよそ二時間後、ベアランド小隊は初出撃することとなる…! 




記事は随時に更新されます!

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DRAGON TRIBE New Wave! ドラゴンキャラの〝新種〟登場!!

ヒマに任せてドラゴン族の新人くんを描いてみました♡ その名も「ライボ」くんです!
どうぞごひいきに(^^)

 ちょっとやりたいことがやりづらい状況にありまして、仕方もナシに出来ることをやってみたらこんなカンジになりました…

 なんかビミョーなんですかね? 色を何で塗ればいいのか考えあぐねています♡ さてはて(^^;) 以下に無料のダウンロードデータを公開! お気に召しましたらごひいきに♡♡

 さらにまたちょっとだけ描き込んだテイク2です♡

 ライボ・グレーパターン・ベタ塗り

 spoonでリクエストをもらった灰色のボディと赤い瞳のライボくんです(^^) ヒマを見て陰影だとかをつけたいですね!
 以下にダウンロードデータを添付します♡

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Lumania War Record Novel オリジナルノベル SF小説 キャラクターデザイン ファンタジーノベル メカニックデザイン ルマニア戦記 ワードプレス

ルマニア戦記/Lumania War Record #010

#010

「寄せキャラ」登場!

 ※「寄せキャラ」…実在の人物、多くはお笑い芸人さんなどのタレントさんをモデルにした、なのにまったく似ていないキャラクター群の総称。主役のメインキャラがオリジナルデザインなのに対しての、こちらはモデルありきのキャラクターたちです。
 似てない部分をどうにかキャラでごまかすべく、もとい、ノリで乗り切るべくみんなでがんばっています(^o^)

 「新メカ」も登場!

Part1

 空はどこまでも澄んで、穏やかだった。

 眼下に広がる海も、見渡す限りが青く穏やかに見える。

 その最果ての水平線が、空と交わる先でゆるいカーブを描いているのをそれと実感。ここがおよそ戦場とは思えないほどに、今は全てが静かに落ち着き払っていた。

 かくしてそんなのんびりとした雰囲気に釣られて、軽い鼻歌交じりに周囲の景色、ぐるりとみずからを取りまく大小のモニターを見回す犬族のパイロットだ。
 それはご機嫌なノリで意味も無く手元のコンソールパネルのスイッチをガチャガチャといじくり回す。

「ふーん、ふっふ、ふんふん、ふんのふんのふんっと…!」

 まったく意味のない動作の連続で、無意味な操作音がピッピとコクピット内に鳴り響く。シートベルトでがっちりと固定されたシートの背後から、細長いシッポの先がブンブンと振れていた。

 本当にご機嫌なさまだ。

 あんまり調子に乗って機体の推進制御レバーにも手が触れたらしい。微速前進で空中に安定していたはずの機体が突如、ビクッと姿勢を崩すのに、ちょっと慌てたさまで両手をレバーに戻して機体の水平を保つ。

 苦笑いでぺろりと赤い舌を出すビーグル種の犬族だ。

「おっと、あかんあかん! 調子に乗ってもうた。これからガチの戦闘やのに!!」

 ピッと不意に短い電子音が鳴って、同僚の機体からの通信、茶々が入った。すぐ斜め後ろをおなじく微速前進で追従する相棒の犬族のパイロットの、これまた調子のいいツッコミだ。

「どしたん? ずいぶんとご機嫌やけど、なんかええことあったんか? これからバトルやのに?? 浮かれとる場合ちゃうやろ」

「ああっ、せや、せやけどいいカンジやろ? これのどこが戦争なんだかわからへんぐらいに平和になっとるやん! ほな鼻歌のひとつも出てまうわ」

「今だけやろ? よそのエリアじゃもうバリバリ戦闘に入っとるらしいで。なんや新型の空飛ぶ戦艦が入ってきもうて、ごっついアーマーも投入されとるらしいやん!」

「せやな。この万年戦闘水域の中心、本島のロックスランドをあっさり一日で落としたんやったっけ? あないに苦労して占領したのにムカつくわあ! ほんまにどついたろか」

 苦笑いがさらに強くなる犬族、モーリィは正面のモニターの中で小さく区切られた窓の中の相棒に、皮肉っぽくみずからの右のほほのキバをニィッとむいてみせる。

 おなじく苦笑いの相棒、こちらもまだ若いのだろう毛足の長い特徴的な顔つきをした犬族のリーンは、茶目っ気のある笑みで返す。

「好きにしたらええやろ! それよかそろそろみたいやんな? 早速レーダーにひとつそれっぽい反応が入ってきとるやろ?」

「さよか! ほな、ぼちぼちいったろか!」
 

 ビピッ、ピッピッピッピ!

 正面から右手のモニターにバストアップの映像が移った相棒が言った通り、自機のアーマーのレーダーサイトに反応がひとつ引っかかったことが、今しもアラームの警告音(ビープ)で知らされる。

 こちらよりまたさらに上空の空におかしな反応がひとつ。

 正面のモニターに映し出されたその映像にみずからの突き出た鼻先をひくひくとひくつかせる犬族だ。はてと小首を傾げながら、怪訝なさまで独り言めいた言葉をつぶやく。

「あれぇ、なんやようわからんヤツがおるわあ? なんやあれ、やけにいかつい見てくれしとるけど、あんなんこっちのデータベースに載っておらへんやん? アンノウンやて!」

「みたいやんなあ? こっちもおんなじ、ノーデータや! 現在、諸元とこの想定される性能を解析中……あ、そやから詳しう解析するためにようモニターしてくれっちゅうとるぞ?」

「知らんわ! そんなのこっちの知ったこっちゃあらへん。なんで命がけの戦闘しとる最中にそないなことせなあかんねん! わしらまだ予備軍扱いで、正規には採用されとらへんのやさかい」

「そやんなあ、それがいきなりあないな新型の敵さんと会敵なんて、しんどいわあ! どないする? ま、アーマーがピッカピカの新型なんはこっちも一緒なんやがのう」

「はん、新型っちゅうてもこないなもんは実験段階の開発途上機やん。そやからわしらみたいなペーペーでも任されとるんやし、それやのにあっちはやけにいかつない? もうちょいズームで、うお、でかっ! めっちゃごっついやん!! なにあれぇ?」

「うわ、なんかきしょない? なんであないなでかいもんが平気で空飛んでんねん? わいらのアーマーのサイズの優に倍はありよるで? ほんまに何で飛んでんのや、ローターエンジン付いとるか? ジェットドライブやったら燃費悪すぎやろ!」

「なんか、飛んでるゆうよりも空に浮いてるカンジせえへん? マジできしょいわ、わけわからへん。マジでどないしょ」

「逃げるわけにもいかへんもんなあ? 仮にも新型機で出撃しといて。この「ドラゴンフライ」の性能も見とかなあかんやろ? なんか大人とこどもくらいも機体に体格差あるんやけど」

「ドラゴンフライて、トンボやったっけ? あっちからしたらこないなチャチな機体、まさしく「かとんぼ」にしか見えへんのちゃうか、まともな足もついとらへん中途半端なもんは? 足っちゅうか、こんなんただのほっそいほっそい棒やん!!」

「空飛ぶんには足なんてあっても邪魔なだけなんやろ? 空中じゃ歩かれへんのやさかい、そやったらそないなもんは、ないほうが身軽になって飛びやすいっちゅうわけで!」

「言いようやんな! まあええわ、よっしゃ、それじゃその身軽なん使こうてふたりで一発かましたろか! あっちはあんなんやから素早くなんか動かれへんのやろ? 見てくれおっかないだけで図体でかいだけのでくの坊や。ははん、だったら楽勝やん!」

 息の合った掛け合いで漫才みたいなやり取りを一息に決めて、モニターの中の敵影にこれと視線を定める犬族のモーリーだ。
 自分がリーダーだとばかりに盛んに意気を吐くが、これにちゃっかりしたお調子者らしい相方が、それはそれは好き勝手な言いようほざいてくれる。

「ふたりっちゅうか、まずはひとりでいっときぃ、じぶんが! そのあいだにこっちでしっかりモニターしとるさかい、存分にその新型の力を試してみぃ! そしたらついでにそれもモニターしたるから、なんや、これってまさに一挙両得やんな?」

「は? いやいやいや! 何を勝手を言うとんねん?」

 まるでひとを使いっ走りみたいにそそのかしてくれるのに慌てて抗議するのだが、相手はまるで聞く耳を持たない。

「ないないっ、あんないかついもんに単機で突っ込むなんて自殺行為やろ! ふたりで挟み撃ちするくらいでないと無理やて、わしひとりでまんまと返り討ちにあったらどないすんねん?」

「そん時はさっさとトンボ帰りやわ! ほなさいなら!!って、ドラゴンフライなだけに? うまいこと言うたやろ? ほな、まずはひとりでいっときぃ、遠慮せんでええから、ほら、あちらさんもあないに手持ち無沙汰なままでじぶんのこと待っとるでえ? せやから今がチャンスやて!!」

「なんのチャンスやねん? あほちゃうか?? むりむり、あかんあかん! 死んでまうて、見れば見るほど、まともちゃうやんか! あないなグロいバケモン……あ!」

「あ、感づかれたんちゃうんか? じぶんがさっさと行かへんさかい、とうとうあちらからご指名がかかったんやな。ほな、ひとりでいっときぃ」


「なんでやねん!! おおい、マジで来よったで! 完全にロックオンされとるがな! あほなこと言うとらんでさっさと応戦や! 漫才ちゃうんやからつまらんボケは通用せんで、うお、マジでごっついやん!! シャレにならんて!!」

「しんどいわあ~、じぶんほんまに手の掛かる子やんなぁ? しゃあない、後ろから援護したるさかい、前衛はまかせたで!」

「なんでやねん!!」

 コクピット内にやかましい警告音が鳴り響く。
 それを戦いのゴングと了解して、ただちみにみずからの正面の操縦桿を握りしめるビーグルだ。モニターの向こうの相棒に目配せして、ガチの戦闘に入ることを互いに確認!

 二機の新型機がおのおの左右に分かれて旋回上昇軌道に入る。

 未知の敵との遭遇。

 かくして息つくヒマもない銃弾とビームの応酬が前衛芸術さながら、青一色の空のキャンバスにくっきりと描き出される。

 「戦争」がはじまった。


Part2
 主人公登場!!

 主役のクマキャラ、若いクマ族のパイロットのベアランドです。初代から数えてこれでテイク4くらいですね!

若いメカニックマンの男の子、リドルははじめの見てくれがかなり雑だったので、下のキャラに顔だけリテイクしています。
 作者的にはそれなりにお気に入りです♡

 Part2

 今はまだ、静かな世界だ。

 空も、海も、果てしなく青く、ひたすらに広がるばかり。

 ここは大陸からはかなり離れた沖合の海洋だ。
 本来ならどこの国にも属さない中立の公海水域なのだが、今やそこは広範囲にわたって敵味方が入り乱れる戦場と化していた。

 元は岩山ばかりが目立つ小さな小島と、その周りをぐるりと取り囲む形で配置された、人工の島々、ギガ・フロート・プラットフォームで形成された、世に言うルマニアの『拡大領域』だ。

 端的に言ってしまえば、海に浮かべた正方形や長方形の巨大なプラットホーム、ギガ・フロート上にそれぞれ任意の構造物を建造した前線基地とその周辺施設群なのだが、今やこの半分が敵方の手に落ちているというのがその実のところである。

 いざ無理矢理に領有権を主張したところで、本国から遠く離れた離れ小島は、地続きでないだけに援護や補給がままならない。

 大陸西岸の属州の港湾で補給を終えて、すぐさまこの混乱した戦線に加勢した巨大な空飛ぶ船艦のはたらきで、この中枢の小島の要塞は見事に奪還したものの、これを中心に西と東で支配権が分かれるフロートの各施設をただちに攻略および守護!

 そこかしこに潜伏する敵を掃討するのがみずからの役目である若きクマ族のエースパイロットは、周囲の青一色の景色ばかりを映し出すモニターに視線を流しながら、何気なくしたひとりごとを口にする。


「う~ん、こうして見てみるに、どこにもこれと言った戦艦らしき影が見当たらないなあ……! でっかいのがこれっぽっちも。友軍もそうだし、敵軍の戦艦、潜水艦なのかな、どこにもそれらしい気配がないんだよねぇ。頼みのレーダーはどれもさっぱり無反応だし。どうしたもんだか……」

「はい? 戦艦、でありますか? 友軍となると、ジーロ・ザットン将軍のものでありましょうか? 確かどちらかのフロートに付けているらしいとは聞いておりますが? それと少尉どの、こちらのトライ・アゲインとおなじで、最新鋭の航空型巡洋艦だったと記憶しておりますが……」

 今は離れた母艦からの応答、通信機越しの見知ったメカニックマンからの返事に、ちょっと小首をかしげてまたこれに応じる。

「まあね? この戦域の指揮を任されてるトップの指揮官なんだから、もっと目立つところに陣取っていてほしいんだけど、切れ者で何考えてるかわからないところがあるからさ、あのおじさん♡ ぶっちゃけ悪いウワサもバンバン飛び交ってるからね! いざとなったら手段を選ばない、冷血艦長の悪党ジーロって!!」

「あはは、そうなのでありますか? 恐れ多くてじぶんの口からは何とも。ですがあちらも目立つ最新の大型戦艦なのですから、よほど高空を飛んでいない限りは目で視認ができないだなんてこともないものだと思われます。かろうじてレーダーの目はごまかせたとしても?」


「うん、ぼくもそんなにお間抜けさんではないからね? まさか海の中に潜っているだなんてことはないはずだから、やっぱり巧妙に隠れているんだよね。となると、あやしいのはいっそあの本島のロックスランドの入り組んだ岩礁地帯か、もしくは……!」

 やや考えあぐねるクマの少尉どのがそう言いかけたさなか、不意にピピピッ!と甲高い警告音がコクピット内に鳴り響く。

 レーダーに反応あり! つまりは敵と遭遇したことを示すものだった。これに通信機の向こうで息をのんだ気配があり、ちょっと緊張したさまの若いクマ族のメカニックマンの声がする。

 今現在、自機がいるのがわりかし高空なのと、周囲に敵影がなかったので妨害電波らしきもないらしく、遠くの母艦で留守番している若いクマ族のハイトーンな声色がきれいに聞こえていた。

「反応、ありましたか? はい、こちらでも確認しました! ギガ・アーマー、二機の模様です。状況からして少尉どのとおなじ飛行型タイプでありますね。あれ、でもこれって……」

 まだ実験開発段階の都合、こちらの機体状況をつぶさにリアルタイムでモニターしている機械小僧のちょっと戸惑ったさまに、釣られて苦笑いのベアランドも太い首をうなずかせてまた言う。

「うん。ノーデータ。『アンノウン』だって! いきなり未確認の機体と遭遇しちゃったよ! いわゆる新型機ってヤツだよね。まいったな、てか、新型で正体不明なのはこっちもおんなじなのかな? あれって見たところどちらも同型の機体だよね、なんかえらい見てくれしてるけど……!」

「えらい見てくれ、でありますか? こちらでは画像の解析がまだできていないのでわかりませんが、飛行タイプのアーマーならば比較的小型、軽量級なのでありましょうか??」

 メカニックマンの推測に小首をかしげて目の前のモニターをのぞき込むクマのパイロットは、何やらあいまいな返答だ。

「う~ん、そのどちらもだね! なんか中途半端な見てくれしてるよ。やけに? なんなんだろ、ボディと飛行ユニット、あれってロータードライブなのかな、今流行(はやり)のさ? そこだけそれなりしっかりしているんだけど、それ以外の手足がオマケみたいな感じでくっついてるよ。脚なんかあれってばただの『棒』なんじゃないのかな??」

「はい? 棒、でありますか?? いやはや、まったくわかりません。少尉どのっ、新型機ならばなるべくこの性能と仕様をモニターするべきなのでしょうが、随伴するサポートの機体がいない今の状況ではいささか難しいものがあります。こちらでなるべく解析トレースしますので、無理のない機体運用をお願いします。そのバンブギン、いえ、ランタンもこの性能試験の真っ最中でありますので!」

「わかってるよ! とにかくいざ会敵したからには真っ向からやり合わなけりゃならないんだから、おのずとデータも入ってくるさ! 相手がひ弱な見た目だからって、遠目からビームの一発で終わらせようだなんて横着はしないから。それじゃこの子の運用データもろくすっぽ取れないしね?」


「了解! 敵影、どちらも動きに変化ありませんが、こちらには気づいているものと思われます。いかがいたしますか?」

「どうするって、こちらから仕掛けるしかないんだろう、この場合は? さいわいあちらさんの頭上を押さえているからやりやすいよ♡ それじゃあ行ってみようか、そうれっ……!!」

 言うなり躊躇なく手元の操縦桿を思い切りに押し倒す少尉どのだ。それによりアーマーとしてはかなり大型なみずからの機体が頭から前のめりに空中をダイブ! こちらよりは低空を飛んでいる二機の敵機めがけて一気に突撃する体勢に入る。

 戦いがはじまった。

 さすがに空中での格闘戦はまだ慣れていないので、機体に装備されたビームカノンを相手めがけて一斉射!!

 この頭上からの不意の攻撃にあって、相手機はどちらも泡を食った感じでひょろひょろっとそれぞれが回避機動に入る。
 ほんとうにひ弱なカトンボみたいなありさまだった。
 ちょっと拍子抜けしたクマのパイロットは、目をまん丸くしてそんな相手のありさまをしげしげと見入る。


「なんだい、あんまり統制が取れてない感じだな、どっちも? ひょっとしてまだペーペーの新人くんだったりして?? あんまり攻め気を感じないんだけど、ちょっとおどしたらあっさりと逃げ出したりするのかな……? まあいいや、とにかくやることやるだけだよね!」

 そんな考えているさなかにも、頭上のスピーカーからはすかさずに若いメカニックマンによるのサポートが入る。

「少尉どのっ、敵機、二手に分かれました! さては挟み撃ちするつもりなのでしょうか? ですがそのランタンに装備されたカノンはほぼ全ての方位に向けて射撃が可能なので、どうか落ち着いて対処願います!!」


「はいはいっ、わかってるよ! 誰に言っているんだい? 余計な茶々は入れないでいいから、黙って相手のモニターに専念しておいでよ。こっちは心配ご無用! ぼくとこのランタンにお任せだね!! とにかく慣れるだけ慣れないと、相手がガンガン攻め込むタイプじゃないみたいだから、まずは距離を取っての打ち合いに専念するよ。両手のハンドカノンの威力をできるだけ発揮させるから、そっちもちゃんとモニターしておいておくれよ!」

「了解!!」

 自機の周りをぐるりと取り囲んで、互いに一定の距離を置いたまま時計回りに旋回する二機のアーマーに、対して機体の両腕に装備されたハンドカノンをぬかりなく構えて冷静に狙いを定めるベアランドだ。

 相手はやはり警戒しているものらしく、あちらからはいまだ仕掛けてくる様子がない。通常のそれよりも大型で、異様な見てくれしたこちらのさまに多少なりとも動揺しているのかもしれないと思うクマの少尉どのだ。さてはまんまと萎縮している感じか。

「ああん、やっぱりやる気が感じられないなあ? そうかい、だったらこっちからガンガン攻めさせてもらうよっ!!」

 2対1と数では劣勢だが、決してこの分は悪くないとみずからの腕前と機体の性能にそれなりの自負がある大柄なクマ族は、ペロリと舌なめずりして自分から見て右手にあるモニターの中の機体にこの意識を集中する。

 まずは一機ずつ、着実に対処するつもりで利き手のレバーのトリガーをゆっくりと引き絞った。
 直後、赤い複数の閃光弾が青空にまっすぐの軌跡を描いて走り抜ける! その先には標的となった見慣れない灰色のアーマーが、複雑な軌道を描いてこちらもただちに回避機動に転じる。
 ひとの手に追い立てられる、それこそ虫の蚊もさながらにだ。

 全弾回避! ハズレだった。

 それなりに狙いを定めたつもりのクマの少尉は、チッと小さな舌打ちして見かけ通りの身軽な機体を恨めしげに見やる。
 運動性能はかなりのものらしい。やはりそんなに簡単にはいかないかと、どこか余裕ぶっていた気持ちをグッと引き締めた。

※以下、挿絵の作製の段階ごとに更新したものをのっけていきます(^^) これまでは随時に画像を差し替えていたのですが、試しにですね♡

 もとの雑な構図の下書きに、もうちょっと具体的なイメージを書き込みました。でもまだまだざっくりしてますね!

 さらに描き込み♡ ちょっとわかるようになってきたでしょうか? これをさらに具体的に描き込みできればいいのですが、最終的な着地点は決まっていまいちびみょーなところに収まるのがシロートの悲しい性です(^_^;)

 とりあえず下絵は完了? 色まで付けられるかはビミョーです。べた塗りくらいはできるのか?? 色つけの課程も随時に公開していく予定です。ちなみに作画の課程はツイキャスとかで無音で公開していたりするので、興味がありましたら♡

 主役のクマキャラ、ベアランドだけベタ塗りで色を付けてみました(^^) 余裕があったらもうちょっと加工してそれっぽくしてみたいのですが、かなりビミョー、たぶん単純なベタ塗りでおわってしまいそうです。ちなみにインスタライブでやりました♡

 全体べた塗りしました(^^) これで合っているのかどうか作者ながらにビミョーです(^_^;) これより先に加工するかはまだ未定ですね…!


 他方、ベアランドからの猛攻に追い立てられる哀れなカトンボの立場のアーマーパイロット、見た目はとかくメジャーな犬種の犬族のモーリィは、悲鳴を上げてジタバタわめきまくる。
 狭いコクピット内に警告音と鳴き声がやかましく交錯する。
 端から見たらばまったく訳がわからないありさまだった。

「おわわわわっ、あかんあかんあかんあかん! なんでそないにぎょうさんビームばっか撃ちまくってくんねん!? しかもこのわしにだけ!! 不公平やろっ、あほんだら! あっちの相方のほうにも何発か見舞ったれや!!」

「なんでやねんっ! そっちでなんとかしいや!!」

 モニターの真ん中にでんと居座るでかい機体に向けて思わず口走ったがなり文句に、相棒の犬族からすかさず苦笑い気味のガヤが入る。
 現在、大型の敵のアーマーを挟んで対極に位置するこちらと同型のアーマーは、ひとりだけ我関せずのひょうひょうとしたありさまでのんきに空を飛んでいるのを苦々しげににらみつけるビーグルだ。ひん曲がった口元からうなり声がもれた。

「うぬうううっ、そやったらちょっとはじぶんも援護しいや! なんでわしだけこんないにガンガン派手にビーム当てられやならへんのや!? まだ当たってへんけど!! でもこないにきつうやられたら反撃もままならへんやろ!! おわあっ!?」

 言っているさなかにも、相手からは盛大なビームのシャワーがひっきりなしにこれでもかと送られてくる。とんでもない大出力のハイパワーエンジンを搭載していることをまざまざと見せつけられる思いの犬族だった。

 通信機越しの相棒がまたもや驚きのガヤを発する。
 いたってのんきな言いようがこれまたしゃくに障るビーグルだ。

「あちゃちゃ、マジでシャレにならへんのちゃう? こっちの射程圏内の外からでも余裕のパワーがありそうやん! おまけに三発四発、同時に見舞ってきよるもんなあ!? あんなんじぶんようよけきれとるわ!!」

「感心しとる場合ちゃう! マジで蜂の巣にされてまうやん!! どないしょっ、ちゅうか、じぶんも相手の背後(バック)取ってるんやから反撃せいや!! なんでわしだけひとりでこないないかついバケモンの相手をさせられにゃならんねん!!?」

 もっともな訴えに、仲間の犬族はやはりしれっとしたさまで応じてくれる。もはやかなりすっとぼけたものの言いようでだ。

「無理やろ。あいにくこっちの射程圏内の外っかわに敵さんおるんやから? 撃っても届かへんて。危なくて近寄れへんやろ。新品のアーマーを傷だらけにしてもうたら怒られそうやしなあ!」

「何言うとんねん! 戦争やぞ、ガチの!! ちゅうても確かにあぶのうて近寄れへんか! このアーマーの装備じゃミドルレンジのハンドガンがせいぜいやけど、あっちはバリバリ、ロングレンジのキャノンの威力かましてるやん! マジ反則やて!!」

 今や逃げ惑うばかりのまさしくカトンボのアーマーだ。
 味方からのまともな援護も望めないままに、絶望的な逃避行を続けている。敗色は濃厚だ。それを見て全てを悟ったかのごとく、相棒の犬族がしれっと問うてくる。

「どないする? さっさとシッポ巻いて逃げてまうか? 敵さんどんくさい見た目しとるし、スピードやったらこっちが上みたいやんか、そやったらいくらか援護したるで??」

「マジか!? じぶんすごいな!! そういうところ、ほんまに尊敬してまうわ!! でも一発も見舞わないまんまに逃げ出すんいうんはあかんやろ? 取り上げられてまうで、この新品の新型アーマー! どれだけ使いもんになるかわからへんのやけど?」

「じゃあ、やれるだけやってもうて、さっさとバックれんのがええんちゃうか? 射程圏外からでも無駄ダマ、バリバリ撃ってまうノリで? あちらさんはそれほど本気な感じがせえへんから、いざ背中見せて逃げ出しても追っかけてこうへんのちゃう??」

 もはや身もフタもない言いようにしまいにはうんざりするモーリィだが、内心ではそれが正解かと判じてもいるらしい。

「納得いかへんわあ、理不尽ここにきわまれりっちゅう感じやん? いざ新型で出撃したら、あないにわけのわからへん新型に鉢合わせするなんちゅうんは! なんかわしだけ目の敵にしとるし!!」


 完全にさじを投げた調子の相棒の意見にいやいやで同調する、こちらもまだ新人のパイロットだ。機転と経験で現状を打開するよりも逃げるが勝ちと相手機との距離を取ることに専念する。

 攻撃はもはや二の次だ。

 かろうじて敵の背後を取っている相棒の機体が形ばかりの援護射撃をくれたらば、それを合図に即座にこの場をとんずらするべく、前屈みでモニターの中の大型の緑色した機体を注視する。

 対してこれを迎え撃つクマ族の若いエースパイロットは、数で勝るはずの相手がそのくせ逃げ腰なのをはっきりと見て取って、とうとう呆れたさまの物言いだ。

「あらら、これじゃ勝負にならないね? 相手さん、完全にやる気がありゃしないよ、逃げてばっかりでろくすっぽ撃ってこないもん! こんなんじゃ敵のアーマーのモニターどころかこっちの性能試験もままならないや。どうしたもんだか……」

 乗り気がしないさまではたと考えあぐねるのに、こちらも若いクマ族のメカニックがスピーカー越しにもそれとわかる、いささか戸惑い加減で言ってくれる。

「少尉どの! あまり戦いを長引かせればこちらの機体の機密を敵軍に無駄にさらすことにもなりかねません。距離を置いての戦いはこちらも得意とするところではありますが、できるなら一気に間を詰めての早期の決着を考えたほうがよいのでは? 片方が墜ちればもう片方には逃げられる可能性が高いのですが…!」

「ああ、まあそれは仕方がないよ。ぼくもホシを稼ぐばかりが能ではないからね! この機体は確かに万能で性能が高いけど、だからって殺戮兵器じゃないんだから…!! これってただのきれい事かな? ま、それじゃ、見ててごらん!」

 どうやら何事か決意したさまで左手のモニターの中のメカニックマンにチラリとだけ目配せすると、いざ正面に向き直って高く意気を発するクマ族だ。

「さあてお立ち会いっ、初見の相手はみんなこぞって度肝を抜かれること受け合いだよ! このランタンの攻撃パターンの多彩さをぞんぶんに思い知らせてやるさ、それじゃ狙いをしっかりと定めまして……ん、いくぞ!!」

 モニターのど真ん中に捉えたくだんの敵アーマーにしっかりとロックオンしたことを確認するなり、そこにまっすぐに突き出したみずからのアーマーの右手と、すかさず怒号を発して利き手のトリガーを思いっ切りに引き絞る!!

「食らえっ、ロケットパアアアアアアアアーーーンチ!!!」


 かくして戦場は大混乱の様相を呈するのだった。

 相手のひっきりなしのビーム攻撃からほうほうの体で逃げ回る犬族だが、不意に何かしらの嫌な気配を察するなり、コクピット内に鳴り響く警告音にびっくりしてこの背後を振り返る。

 バックに配置された中型のモニターには少し距離を置いてこちらを追いかける大型の飛行アーマーが、そこでなにやらしでかしているのを激しいライトの明滅とともに知らせてくれる。

 ビームではない、何かが急接近しているのがわかった。

 かくしてそれが相手の腕から繰り出された、それはそれはどでかいゲンコツのグーパンチ、まさしく『ロケット・パンチ』だと見て取るや、この全身がひいいっと総毛立つビーグルだ。

「ななななっ、なんそれ!? うそやろっ、あかんやつやん!! マンガちゃうんやから、ロケット・パンチなんて反則過ぎるやろ!!」


 まっすぐにこちらめがけて飛んでくるでかい右手首、巨大な鋼鉄のカタマリに恐れおののくモーリィは、必死にペダルを踏み込んで機体を急旋回させる。追尾式だったらアウトだが、そこまでマンガではないことを心の底から願った。スピーカーからさすがにこちらもちょっと慌てたさまの相棒の声がする。

「なんや、そないなビックリ機能があったんかいな! ドッキリやん! 離れてて正解やったわ!! でもうまいことよけられたみたいやで? あっさり通り過ぎてるやんか、おまけにカウンターのチャンスやったりして!!」

「簡単にいうなや! でもそやったらこのスキに一発食らわしたるわ! じぶんもよう援護せいよっ、ん、なんやっ、あわわわわわわわわわわわっ!?」

 ぐるりと機体を旋回させてどうにか立て直した視界の先に浮かぶ謎のアーマーめがけて、すかさず手持ちのハンドガンを狙おうとしたところ、またしても激しいビープ音に見舞われる!

 なにもないはずの背後からの不意の警告に、ギョッとして振り返るビーグルの顔に絶望の影が走る。


 どうにかやり過ごしたと思ったはずの巨大なグーパンチからのしつこいビームの一斉射撃だ。完全に裏をかかれていた。

 これをよける間もなく機体に激しい振動を感じて肝が冷える。

 機体を襲う激しい揺れに背後に備えたフライトユニットが一部被弾したこと、画面に激しいノイズが走るのに頭部のカメラも被弾したことを一瞬にして理解すると、右手に装備したハンドガンを宙に投げ出して機体を急降下、海に墜ちるくらいの覚悟でその場からの緊急離脱をはかる!!

 命よりも大事なものはないとそれだけが頭の中にあった。

「ひいっ、そんなん反則やんか! よけたパンチから攻撃しよるなんて、卑怯すぎるやろこのあかんたれ!! 助けてくれっ!」

「おう、そやったら多少は稼いでやるからさっさと機体を立て直しい! まだキズは浅いやろ!! 基地までならギリギリ帰れるはずやっ、相手の注意を引いてやるさかい、ん、こっちに来よったで、ホシには興味がないんちゅうんかい、ええ根性やの!!」

「おおきにっ、おいっ、死ぬんやないぞ! 枕元に立たれてもしんどいわっ!! おわっ、また行きよったで、今度は左手のロケット・パンチやん!!」

 意気が合った犬族のコンビは口やかましい掛け合いがますますヒートアップする。いつもひょうひょうとしていたはずの相棒がいつになく熱いさまで口からツバ飛ばしていた。

「そないにワンパターンな攻撃を何度も食らうかいっ、追尾式でないならそないに出所がはっきりしとるテレフォンパンチなんて当たらへんてっ! よいしっょ、よけたで!! 背後から食らわされる前に一発見舞ったる!! そうれや!!」

「おうっ、やったやん! て、まるで効いてへんやん!! 当たってるよな、今のそのハンドガンの弾? あ、ちゅうかまさかあの敵さん、バリアっちゅうやつまで備えとるんか!?」

 意気盛んに食らいつく相棒の奮闘ぶりを目を丸くして見つめるビーグルの目つきが途端に怪しげな半眼のそれになる。
 旗色が悪いのはどう見ても変わらないようだ。

「くうっ、まだまだあるで! 胸のキャノンはハンドガンと威力がよう変わらへんから、この頭のレーザー食らわしたる!!」

「そないなもん効果あるんか??」

 他方、終始距離を置いてまるでやる気がなかったはずの敵のアーマーが俄然やる気を出して食らいついてくるさまに、ここに来てちょっとだけ感心するベアランドだが、いかんせんこの戦力差はどうにもならないなと内心で肩をすくめていた。 

「ああん、これはいよいよもって弱いモノいじめになってきちゃったね? モチベーションが下がることおびただしいよ! ん、てかあのアーマーの頭で赤くピカピカ光ってるのって、いわゆるレーザーなのかな??」


 やる気だけはあるようで、そのクセさっぱり空回りしている相手の機体のさまを不可思議に見やるが、それならばとこちらも手元の操縦桿を引き寄せてモニターの中のターゲット・スコープに狙いを付ける。

「なんか弱々しいけど、実は対人用だなんて言いやしないよね? 対アーマーだったらこのくらいの威力はないと! それ!!」

 いかつい大型アーマーのクマの頭部を模したような不細工なヘッドの左右の耳、もとい近接射撃用のビームカノンが激しく火を噴く!
 これには大慌てで機体を急降下させる敵の飛行型アーマーだ。

「あかんわ! まるでお話にならへんっ、こんなん大人と子供の力比べやんかっ、まるっきり!!」

「おうっ、もうええで! ええからさっさと逃げてまえっ、こないな化け物とやりあう義理なんてわしらみたいな安月給の非正規雇用にはあらへんわっ! バリバリ給料もろてる正規軍のひとらにやってもらお!!」

「ほんまやんなあ! あやうく死んでまうところやったわ、ちゅうか、シッポ巻いて逃げるっちゅうんわこういうことを言うんやんな! ほな、さいなら!!」

「おう、もう二度と会わへんで!!」

 ふたりの犬族は捨て台詞を吐くなりに最大戦速で戦域からの離脱、脇目も振らずに空の彼方へと消えていく。ものの10分にも満たない戦いは呆気のない幕切れを迎えた。

「あらら、逃げられちゃったよ! なんかすばしっこさだけは人並み以上だったね? 火力はそうでもないけど、このランタンでなければちょっと手こずるのかな? ま、何はともあれどっちもいいパイロットだよ、このぼくの見立てによるならば♡」

 逃げ去る敵のアーマーたちを見送りながら苦笑交じりにホッと息をつくクマ族の青年パイロットだ。これにはきはきとした口調のメカニックマンが通信機越しにねぎらいの言葉をかけてくれる。

「おつとめ、ご苦労さまでした! 少尉どの。被弾は確認しておりませんが、どうぞお気を付けてお帰りください。星は取れませんでしたがとてもいいデータが取れたものと思われます。おいしいお飲み物を用意しておきますので、寄り道などはなさいませんように」

「うん、ありがとう。とびっきりに冷えたおいしいカフェオレでも用意しておくれよ。たっぷりとしたとっても甘いヤツをね! それじゃ、これよりベアランド機、母艦のトライアゲインに向けて無事に帰還しますっと! めでたしめでたしだね♡」

 広く晴れ渡る青空のした、全身緑色のでっぷりと不細工な見てくれした大型アーマーが悠然とその帰路につく。

 それまで戦いがあったのが嘘のような穏やかなさまでだ。

 果たしてそれはほんのつかの間、嵐の前の静けさのごとくしたかりそめの平穏であったか。

 Part3

 母艦であるトライ・アゲインに帰還したクマ族の少尉、ベアランドを待ち受けていたのはくだんの同じクマ族の青年メカニックマンのリドル伍長であった。

 アーマーのコクピットハッチを開けるなり、そこにすかさず明るい笑顔で出迎えてくれる若い専属チーフメカニックに、こちらも明るい笑顔で応じるエースパイロットだ。

 ハッチから半身を乗り出した顔の前にスッと突き出された飲み物入りのボトルを反射的に利き手で受け取って、コクピットから全身を抜き出すとそれをそのままグビグビと一息に飲み干すでかいクマさんである。

「おっ、ありがとさん! んっ、んっ、んんっ、ん! ぷはあ、おいしいね! リドルの煎れるカフェオレは絶品だよ♡ お砂糖の加減も実にいいあんばいだしね!」

「はっ、ありがとうございます! 任務、ご苦労様でありました。あとはこちらですべて引き継ぎますので、何かこれと気になった点はありましたでしょうか? あとンクス艦長より、後でブリッジに上がってくるようにとの要請がありました。今後のことについてのお知らせがあるとのことで?」


「ありがとう! そうかい、おおよそはこれから合流する予定の増援部隊についてなんだろうけど、楽しみだね♡ それじゃ早速顔を出してこようかな? ん、まだシーサーの機体は戻ってないんだ? あの勝手にリニューアルされちゃったヤツ??」

 飲み干したボトルをまた受け取り直すクマの青年機械工は、見上げる大柄なクマのパイロットにまたはきはきとした返答を返す。

「はい! ウルフハウンド少尉どのは本艦の周囲を索敵警戒中、ついでに機体の稼働性能実験も兼ねたモニターの真っ最中だと思われます。あいにくこの担当はじぶんではなくビーガル副主任なので、詳しくはわからないのですが……!」

 了解するクマの隊長さんは苦笑い気味にうなずく。

「ああ、あのでかいクマのおやじさんね! シーサーとはそりが合わないみたいだけど、じきに仲良くなれるんじゃないのかな。なんたってリドルとおんなじ、あのブルースのおやっさんのお弟子さんだったて話だから、腕は確かなんだしね♡ シーサーもそんなに分からず屋じゃありやしないさ!」 

「はい! じぶんもそのように思います。それではこの場はこのじぶんが引き継ぎますので、ベアランド少尉どのはメディカルルームでお休みになってください。チェックは必ず受けるようにとのこちらは軍医どのの要請でありすので。じぶんが怒られてしまいます」

「ああ、あの陽気なおデブのおじちゃん先生か! おんなじクマ族相手だと力の加減がまるでやってもらないでちょっと痛かったりするんだよな。ま、そっちには後で行くって言っておいてよ、先に肝心のブリッジ、あの強面のスカンクの艦長さまのほうを済ませてくるからさ! それじゃあとはよろしくね♡」

「了解!!」

  最新鋭の大型戦艦の船底に位置するアーマーのハンガーデッキから、この最上階に相当するブリッジ、本船を指揮する責任者である艦長がいる第一艦橋まで歩いてたどり着くのはかなりの骨だ。階段なら優に数百段とあり、タラップなら気が遠くなるような頭上を見上げてこれをひたすらよじのぼらねばならない。

 よってショートカットとなるこのデッキ部から艦橋まで直通の専用エレベーターでそこに向かうクマ族のパイロットだった。
 これを使えるのはごく限られた一部のクルーのみだ。
 パイロットなら正、副隊長以上、メンテナンスの人員では艦橋から許可が降りねば原則利用禁止。

 高速エレベーターはものの十秒足らずでおよそ100メートルの高低差を駆け抜けてくれる。

 音もなく開いた扉の先には、広い通路ごしの真正面に艦橋への大きな専用気密シールド隔壁、大きく「01」と数字の描かれた両開きのスライドドアがあった。

 人気のない通路を大股の三歩で横断。


 するとあらかじめ登録してあった本人の生体認証でその到着を感知したドアが耳障りでない程度のおごそかな音を立てて左右へと開かれていく…!
 わざわざこんな音がするのは振り返らずとも艦橋への出入りがあったことを察知させるための措置なのだろうと思いながら、ずかずかとこれまた大股で中へと踏み込むクマ族の隊長さんだ。

 戦闘態勢の解かれた平時のブリッジ内は明るくて平穏な空気に満たされていたが、いつもなら入るなりに方々から掛けられてくるクルーたちの挨拶がないのにふと首をかしげるベアランドだ。
 みんな息を潜めているのか、誰もこちらを振り返らずにみずからの職務に専念、しているように見せかけてその実、この注意はどこかあさってのほうに向いているようにも見える…??

 なおさら首を傾げさせるクマ族だが、あたりを一度見渡してそこでまっすぐ正面に捉えたものにしごく納得がいく。


「ああ、なるほどね…! うちのボスが例のワケあり艦長さんと通信中なのか。なんか不穏な空気かもしてるけど、さては何を話してるのかね?」

 その場でぴたりと足を止めて頭の上のふたつの耳をそばだてるベアランドだ。不用意に話しかけて会話を中断させるより、盗み聞きしてやろうとにんまり顔で気配を押し殺す。

 艦長席にどっかりと陣取った椅子からはみ出した大きなシッポが特徴的なスカンク族の老年のベテラン艦長は、ついぞこちらを振り返ることはなかったが、それが見上げる正面の大型スクリーンの中で大写しとなる相手の艦長職らしき中年の犬族は、こちらをちらとだけ一瞥してくれたようだ。


 さては感づいているものか?

 相変わらず抜け目がなくていやらしいおじさんだな!と内心で舌を巻く。

 自然と苦笑いでしばしの沈黙からやがてスカンクの艦長がもの申すのに周りのクルー同様、黙ってこれにじっと耳を傾けた。

「……しかしだな、当該戦域の指揮を任されている責任者がいまだ雲隠れしたままと言うのは、現場の指揮にも関わるものだろう? 新型の戦艦戦力を温存したいのはわからないでもないが、指揮官としてはその姿を示してしかるべきものだよ……!」

 どこか浮かないさまの口ぶりしたベテランだ。
 そうたしなめるようにして頭上のモニターへと問いかける。
 そこに顔面度アップで大写しの白い毛並みの犬族は、こちらもいささか暗い顔つきして視線をどこかあさってへと向けて返すのだった。

「いやあ、こちらもいろいろと理由(わけ)ありでして……! 姿を見せたいのはやまやまなのですが、肝心のアーマー部隊がろくすっぽ稼働できないありさまで。面目ない。先生、もとい、ンクス艦長の応援をいただいてまことに感謝することしきりです。ついでに優秀なアーマー部隊も少し分けていただけたらば、感謝感激雨あられなのでありますが……?」

 ひょうひょうとした口ぶりでおまけのらりくらりとした言い訳をモニターのスピーカー越しに垂れ流してくれる犬族だ。
 言葉ほどには申し訳なくも感謝しているようにも思われない。
 それを察しているらしいこちらのスカンク族も冷めた調子でまた返す。背後で聞くクマ族、ベアランドは思わず吹き出しそうになるが、どうにかこらえて艦長席の影ごしに正面モニターの切れ者艦長のしれっとした顔つきをのぞいていた。


「パイロットを選り好みしすぎなのだろう、しょせんキミは? みずからができるからと言って、それを他者にまで求めてばかりいては誰もついては来られまい。加えてそう、己の本心をこれと明かさないとなればなおさらだ……」

「いやあ、なんでもお見通しなんですなあ、こいつはまいった! 確かに返す言葉もありません。艦はこれを本拠地としているから隠していたのですが、心強い援軍があるならば今後は堂々と顔を出せるでしょう。話じゃ、ほかにも援軍はあるようだし?」

「うむ。キミの古くからの戦友であったよな? ならばアーマーの補充はそちらに頼めばよいのではないか? あいにくこちらにはその余力がない」


「はあ、しかしながら同輩には極力、借りをつくりたくないのでありますが。あいつはがめつい。食欲から性欲から、何かと欲張りなのはよくご存知でしょう? そのせいもあってかこのクルーもクセが強いヤツらばかりだし」

 淡々とした会話の中にどこかピリピリとした空気が漂う……。

「ふうーん、あのおじさんもこっちに出張って来るんだ? なんだか騒がしくなりそうだな♡」

 話の流れから誰のことなのかおおよそで想像がつくクマ族の隊長さんは、したり顔してこのまあるい頭をうなずかせる。
 そろそろ出てもいいもんかなとタイミングを見計らった。

「腕のいいパイロットといいアーマーはできればセットで保持したいものです。戦場では何かと不足しがちなものではありますが。わたしは部下が無駄に命を落とすことがないようにこのあたりには特段に気を遣っておりまして、そのせいで今回のような不足の事態を招いたのはまことに遺憾であります。そのあたり、折り入って頼みがあったのですが、今はとどめておきます。いらんクレームを付けて来そうなくせ者がいるようなので……!」

 あ、やっぱりバレてる……!

 モニターの中の犬族の艦長さんが何食わぬさまして、そのクセしっかりとこちらに視線を向けているのに苦笑いが一層濃くなる大型クマ族だ。するとやっぱりこれを察知していたらしいスカンクがこちらを見もせずに言ってくれる。

「出てきたまえ、ベアランド君。この彼はキミも旧知の仲だろう? そちらに増援として行く必要もあるかもしれない、今のうちに顔合わせをしておいたほうが話がスムーズにゆくだろう」

「おっ、さすがはせんせい! よくわかってらっしゃる。おい、出てこいよでかグマ! じゃなくてベアランド、だったか?」

 でかグマ……!

 ひさしぶりに耳にする呼び名だった。
 これを口にするのは頭上の有名軍人さま以外にはいない。
 かくてふたりに促されて仕方なしに顔を出すそれは大柄な熊族の隊長さんだ。苦笑いして真っ向からモニターの中の艦長職と向き合った。



「あはは♡ こいつはまいったな、ぼくのこと覚えててくれたんだ、教官どの? 悪漢ジーロ、もとい、ジーロ・ザットン大佐どの? 性格ぐれてる鬼教官どのが、現場に復帰されたとは聞いてはいたんだけど。まあ、あんまりいいウワサは聞かないよね!」

「おかげさんでな? 生意気な生徒に好き勝手言われて、そのままおめおめと引き下がるほどにはひとができていないんだ、このぼくは。言うだけのことがあるものか、きちんとこの目で拝ませてもらいたいもんだし。そちらさまはとっても優秀な戦績を納めているらしいな?」

 最後のは皮肉なんだろうと受け流しながら、苦笑いで応じる。

「それはどうだか? ご想像にお任せするよ。だからってまさかこのぼくをトレードしようだなんて言いやしないよね、腹の内がさっぱり読めないこのやり手の艦長さんときたら?」

「ふん、それほどとぼけてもいないさ。どうせならもっと従順で扱いやすいヤツのほうがいい。おまえさんのようなやることなすことおおざっぱで力任せなクマ族よりは、そうさな、慎重でありながら機敏でかつ鼻の効く、ま、このおれのような犬族あたりがベストなんだろうな」

「?」


 何か含むところがありそうな言いように、隣の艦長席のスカンクとちょっとだけ目を見合わせるクマ族だ。
 小首をかしげながらにぼそりと小声で隣に声を掛ける。

「犬族? ああ、そういやそんな新人くんたちがじきにこっちに来るんだっけ? このぼくの部隊に配属される予定の??」

「うむ。今日中に合流の予定だが。まったく抜け目がないことだ。機密情報をどこで聞きつけてくるものやら…!」

「フフ、まんまと横取りされないよに気をつけないとね! まずは新人くんたちをしっかりと歓迎してあげないと」

「そのあたりはキミに一任する


「了解♡」

 そんなしてふたりでごにょごにょとやっていたら、モニターの向こうの犬族が何やら浮かない顔してしれっと言ってくれる。

「ああ、まあそのあたりのことは後々に。その前にそちらの隊長どのには新人くんたちを引き連れて、一度こちらに顔を出してもらいたいもんだ。よろしいですよね、先生? こちらも丸裸でこの艦を敵にさらすわけにもいかない都合……」

「丸裸?」

 どういうことなんだと右手の艦長席のンクスに改めて目を向けるが、大ベテランの艦長はさてと肩をすくめさせるのみだった。
 そこにフッと鼻先で笑うみたいなノイズを残して白い犬族がおもむろに敬礼してくれる。

「では! 久しぶりの再会、まことにうれしく感慨深く思います。とりあえずそっちのパイロットも含めて。互いの健闘と勝利を祈りまして、今回の通信を終わらせていただきます。あと、アーマー部隊はすぐにでも遣わせていただきたいものであります。でないとこちらの身動きがとれませんので……では」

 何やら好き勝手なことをひとしきりほざいて相手の犬族の艦長からの通信は一方的に閉ざされることとなる。
 しばしの沈黙の後、クマ族の隊長はおおきく左右の肩をすくめさせる。

「まったく相変わらずだよね、あのおじさん! いいトシなんだからもうちょっと丸くなってもいいもんなのに」

「キミのひとのことは言えないのではないか? まあ、ある意味打って付けなのかもしれないが……」

 こちらも多分に含むところがありそうな物言いのキャプテンに、当のチーフパイロットはあっけらんかと応じてくれる。

「何が? そう言えば艦長はあのおじさんの直属の上官だったりするんだよね、その昔は? だったらぼくって孫弟子あたりにあたるんだ? あんまり自覚がないんだけど」

「なくてよろしい。今の話の流れでもう伝えるべきことは伝わったはずだ。それにつき何か質問はあるかね?」

 真顔で問うてくるンクスに、のんびりしたクマの隊長さんはさあと頭を傾げさせる。

「まあ、例の新人くんたちはこっちで引き受けちゃっていいんだよね? ブリッジにもしょっ引いて来いって言うんなら、連れてくるけど、いざ現場方の最高責任者さまがお相手とあっては、きっと震え上がっちゃうんじゃないのかな♡」


「その必要はない。すべてキミに一任する。言ったとおりだ」

 まったくしゃれっ気のない冷めた顔の艦長に内心で肩をすくめるクマさんだが、折しもそこで静まり返っていた周りのオペレーター陣にちょっとした動きがあったようだ。

 不意の電子音とともにいくらかの応答を交えて、中でも特に見覚えのある犬族の男がすぐさまこちらに振り返って報告を入れる。

「艦長、増援部隊、ビーグルの新型が二機、まもなく艦に合流するとのことであります! 受け入れは二番デッキでよろしいでしょうか?」

「うむ。両機とも、大いに歓迎すると伝えてくれ」


「お、新型のビーグルか! それって例のアレだよね? 何かと問題ありってうわさの♡ ちょっと見るのが楽しみだな、もちろん新人のパイロットくんたちもだけど! それじゃ早速、ハンガーにとんぼ返りして出迎えに行ってくるとするよ」

「ああ、アーマー単体の長旅だったのだからまずは休ませてやるといい。部屋は用意してあるはずだ。あとキミも、ちゃんと休養を取ることだ。パイロットとしてはこれもまた重要な責務ではあるのだからな?」

「了解♡」

 くるりときびすを返してブリッジを後にするアーマー部隊隊長だった。艦長からの忠告に軽く右手を挙げて答えながら、さてこれから忙しくなるぞっ!と舌なめずりしてズカズカと来た道を戻っていく。
 やがて艦に合流することになる増援部隊のありさまに想定以上の驚きがあることをまだ知らない彼だったが、波乱に満ちた戦いの予感は心のどこかにはもうすでにあったのかもしれない。


 以下、#011へ続く…!



 


Part3の流れ、プロット
ベアランド、母艦トライアゲインに帰還。
リドルの出迎え。
ウルフハウンドはまだ出撃中。くだり~
ベアランド、ブリッジに上がる。
艦長、ンクス、戦域統括官のジーロと通信中。
ベアランド、艦長と会話。
援軍の説明。
#011へ~…


 





 ドラゴンフライの兵装
 ミドルレンジのハンドガン
 ショートブレード
 胸部装備 実弾カノン
 頭部装備 レーザーカノン



状況
 ベアランド ランタンのコクピット内から
 リドルと交信
 ジーロ・ザットン ダッツとザニー
 モーリィ、リーンと交戦この

記事は随時に更新されます(^o^) 応援よろしく!

プロット

モーリー リーン 登場
ベアランド隊と会敵



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おデブなクマのブゥさん♡ 新規イラスト第二弾!

おデブなクマさんサーファーズ! ブゥとビフのコンビで鮮烈デビュー!! 無料の画像DLデータも公開します(^o^)

 前回の記事で作成したブゥさんのサーファースタイルに、おデブなクマさんシリーズのビフも飛び込み参加させました♡
 デブデブサーファーコンビの爆誕です(^^)/

 ボディやボードのロゴを取っ払った、シンプルバージョンです。イラストソフトがあればお好きなロゴを入れることもできます♡ 塗り絵にも(^^)/ ダウンロードデータは以下より↓

 さらにロゴを入れた完全(?)バージョン! 画像の下から無料の画像データがダウンロードできます(^^)

 とりあえずベタ塗りしました(^o^)

 ベタ塗りパターン① オーソドックスなカラーリングです。

記事は随時に更新されます(^^)

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おデブなクマのブゥさん♥ 新作イラストリリース!

おデブなクマのブゥさんこと、Bear Booのイラストを新しくいたずらにはじめちゃいました(^o^) とりあえず夏っぽいヤツですねw

 とりあえず夏っぽいヤツで、サーファーのスタイルなのですが、いわゆる前回シリーズのLGBTQイメージの展開もするかどうか思案中です(>_<) イラストは無料でDL可能な画像データとして公開予定! ご自身の利用目的の範囲での健全なご利用をお願いします<(_ _)> 当該画像の著作権は譲渡不可です。

サーファースタイル・ブゥさん・線画

サーファースタイル・ブゥさん・ロゴ入り線画 塗り絵にもなります!

サーファースタイル・ブゥさん・ロゴ入りベタ塗り シンプル・カラー①

記事とイラストは随時に更新されます♥ イラリクOK!

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Lumania War Record Novel オリジナルノベル SF小説 ファンタジーノベル ルマニア戦記 ワードプレス

ルマニア戦記/Lumania War Record #009

#009

Part1

 ハンガーデッキでのすったもんだから、およそ二時間後――。

 スカンク族のベテラン艦長から、内密の話があると密かに招集をかけられていたアーマー部隊・正隊長のベアランドだ。

 それだから今は艦の艦橋(ブリッジ)もその真下にある、第一ブリーフィングルームで相棒のオオカミ族、メカニックの若いクマ族らと共にこれを待ち受ける。

 軍でも最大規模の新造戦艦だ。

 おまけ艦内でも一番の広さの会議室内には、およそ100人くらいは収容できるだろうテーブルと椅子があったのだが、そこに腰掛けるでもなく三人だけでぽつんとその場に立ち尽くしていた。

 ややもすれば、今は無人の壇上に、小柄な初老の紳士然とした本艦艦長どのが現れるはずだ。

 無機質な灰色の壁に掲げられたデジタルとアナログ式の時計は、どちらも約束の時間を少し過ぎていることを指し示していた。そちらにちらりとだけ視線をやって、ちょっと苦笑い気味に茶化した言葉を発する青年パイロットだ。

「あらら、約束の時間になっちゃったよ。やっぱりこんなでっかい軍艦の艦長さんともなると、いろいろと忙しいもんなんだな? こっちもこんなラフな格好できちゃったけど、別にかまわないよね♡」

 朝の荒くれた現場に顔出しした都合、はじめはしっかりと着込んでいたはずのパイロットスーツを、今は簡易式の状態に軽量化させているのを指しながら、隣でやや仏頂面のオオカミの同僚、ウルフハウンドに問いかける。
 すると朝っぱらのゴタゴタからまだ不機嫌面の灰色オオカミは、そんなしたり顔したクマにどうでもよさげに返した。

「構わねえだろ。俺だっておんなじ格好だし、身軽さにこだわる犬族のワン公どもなんてな、みんなアーマーに乗り込む時だってこのまんまがザラなんだぜ? 言うヤツに言わせれば、このスーツ自体がもう時代遅れのシロモノだなんて言うくらいだしな」

「ああ、よその戦艦じゃ、今時はみんなそれなりこだわって専用のスーツを仕立てているって言うもんね? 艦長さんの趣味嗜好とかでさ?」

 脳天気に笑う隊長に、またこの傍らの若いクマ族が目を丸くして言葉を発する。

「そうなのでありますか? 国や地域によってそれぞれ特色があるのは知っていましたが、おなじルマニアの軍の内部でもそんな違いが? でも自分としては、アーマーに搭乗する時はしっかりとした保護パーツを付けることをおすすめします!」

「ああ、これのいかつい胸当てと肩のパーツがこんな風に外れるなんて、はじめ知らなかったもんね。あ、でもそういうリドルこそ、そんなチャチなノーマルのスーツじゃなくて、ちゃんとしたパイロット向けのやつを仕立ててもらわないと! 補給機とは言え戦場には出るんだから、そこらへんはね?」

「あ、いえ、じぶんはあくまでただのメカニックでありますので、このままで……」

 細身で体力にいささか自信がないからか、途端に遠慮して頭を引っ込めるのに、体力自慢のでかい図体のクマの脇から、痩せたオオカミがのぞき込むようにして大きな口を開く。


「とか言いながら、おまえさん、しっかりとホシを取っているんだろう? 立派なパイロットじゃねえか! だったら身なりもそれなりにしておけよ、そのほうが何かと箔が付くだろう」

「いえっ……」

 すると何やらやけに浮かない顔のメカニックに不可思議そうなオオカミの副隊長だが、あいだに挟まれたクマの隊長はかすかに肩をすくめさせるのみだ。

「ふうむ、ちょっと考えなくちゃいけないんだろうな……! おっと、ようやく艦長どののお出ましだ! てか、ひとりきりなんだね。こんなに見てくれでっかい軍艦なんだから、副官のひとりくらいいてもいいはずなのにさ?」


 ベテランの艦長が無言で会議室の壇上に上がるのを見ながら不思議そうなベアランドのセリフには、この横からオオカミが若干揶揄したような調子で返す。

「ふん、よもや艦長がスカンクじゃ、誰も怖がってこの横に立ちたがるヤツがいないじゃねえのか? 犬族なんてみんな逃げ出すだろう。俺もまっぴらだしな!」

「そんな……! あれって世間でも名の知れた軍人さんじゃないか? 確かに鼻が利く人間はあんまり相性良くなさそうだけど、だからってね。あっ、でも確かここのブリッジのオペレーター、いかつい防毒マスクを身につけていたのがいたけど、あれって犬族だったっけ??」

 ひそひそ話をしていたのが、どうやらあちらにも聞こえていたらしい。かすかに咳払いして何食わぬ顔のスカンクの艦長どのだ。

「んっ、待たせて済まない。今はなにぶんにひとりだけなので、何かと手間を食ってな。そう、本来は犬族の優秀な副官がいるのだが、今はあいにくとよそでいろいろと調整中なのだ。いろいろと根回しというものをだな。ところできみたち、そんなに距離を取らないで、もっと近くに来たらどうなんだ?」

 暗に言い含めた言葉付きにまたこの肩をすくめる隊長さんだ。
 隣のオオカミが絶対にここから動かないと全身で拒否しているのにまた肩をすくめて、仕方もなしに曖昧な返答を返した。

「ま、どうかこのままで。お気を悪くしたなら謝るから。わざわざぼくらだけ呼んで話すってことは、それなりの機密事項なんだろうけど、なんとなく予想はつくしね? おおざっぱな今後のスケジュール、こんなカンジだから覚悟してくれって??」


 上官に対するにはいささかゆるくておまけ鷹揚な態度をしたでかいクマに、それを気にするでもない小柄なスカンクのおやじさんは背後のひときわおおきなシッポを一振りすると真顔で返す。

「ふむ。察しがいいな? そこまでわかっているなら手間は取らせない。なにかと機密が多い本艦ではあるから、この動向をあまり声高にアナウンスするわけにもいかないのだ。今は最小限度の人間で共有するだけでよしとして。だがベアランド隊長、私が招いたのはきみとウルフハウンド副隊長のみで、そこの若いクマ族くんまでは呼んだ覚えはないものだが……」

「ああ、この子は多めに見てあげてよ。こう見えてぼくらとおんなじ戦場に立つパイロットでもあるし! メカニックの頭を張る都合、今後のことは極力知っておいたほうがいいはずだから。大丈夫、信用できるのはこちらできちんと保障するから」

 でかい隊長の隣で身を小さくするクマのメカニックマンだが、もう片方のオオカミの副隊長は無言でうなずいてくれる。
 これに初老の艦長どのもまた無言でうなずいた。

「良かろう。では手短に話す。説明は一度しかしないので心して聞いてくれ。まず本艦の今後の予定、この進路についてなのだが……」

 言いながらスカンク族が背後に視線を巡らせるのに、自然とそちらに視線をうながされる三人だ。背後にはおおきなスクリーンがあって、真っ白だったそこに見慣れた大陸のある一部地域の拡大マップらしきが映し出される。

「今わたしたちがいるのが、このルマニア大陸西岸の第三軍港なのだが、本日中にここから南へと艦を発進させる。本格的な作戦行動に移るためにな」

「この艦が建造されていたのが、第七軍港だよね、おなじく西岸の? もろもろの都合で一度は北上したわけだけど、目的地はまったくの反対方向だったんだ。てことは……!」

 納得したさまのクマ族がくれる意味深な目付きに、真顔でうなずく艦長はさらに重々しげにこの言葉をつなぐ。


「大陸外での特務作戦だ。本艦、トライ・アゲインは中央大海、セントラル・オーシャンを南西寄りに南下、その先の第三大陸・アストリオンへと向かう。作戦の詳細は後日改めて通達するが、心しておいて欲しい。だがその前に、やるべきことがある」

「? アストリオンか、いわゆる『南の大陸』ってやつだよね? 本格的な軍事作戦をよそでまで展開するのはあまり乗り気になれないけど、直接『西の大陸』に行かないのだけはホッとしたよ。でも南に下るのには、それってちょっとした関門があるよね」


 相手の言わんとすることおおよそで了解した顔でも顔つきどこかビミョーなさまのベアランドに、隣からウルフハウンドがこちらもおおよそ納得したさまで言ってくれる。

「海上の拡大領地、『ギガ・フロンティア』ってヤツか? 海の上に無断でやたらでかいフロートベースをいくつも建造したのはいいもの、返ってごちゃついて今では敵さんのいい隠れ蓑になっちまってるっていう、あれだろ?」 

「過去の苦い経験から、軍事施設を人里離れた海上に建設したまではいいものの、四方を海に囲まれた要塞はデメリットばかりが目立つのだろう。かなりの苦戦を強いられているらしい」

「つまりはいざ考えなしの拡大路線がまんまと破綻しちゃってるいい例なんだろう? 放棄しちゃったら敵の前線基地にされちゃうし、いっそ海の底に沈めちゃえばいいんじゃないのかな?」

 歯に衣着せぬ言いようには、少しだけ眉をひそめる艦長だ。
 これにでかいクマの隊長が野放図な放言かましてくれる。
 いよいよスカンクの顔色が曇った。

「気安く言ってくれるな。そんなに簡単に沈められるような規模ではないのだぞ? それがいくつも海上に点在する、ある意味で本格的な戦闘行動向けの大規模演習地域だ」

「演習、じゃなくて、実戦だろ? なるほど、つまりはそこでこの艦のならし運転も兼ねての実戦行動をやらかすんだ。いざ南の大陸に向かうまでの演習を兼ねて? ぼくらパイロットやクルーの練度を上げるにはさも打って付けなのかね♡」

「うむ。ちなみにそちらでは人員の補充、アーマーの補強も予定している。次期主力機と目される汎用型の新型機種だ。パイロットの詳細はじきに隊長であるベアランドくんらのもとに届くだろう。目にしておいてほしい」

「期待できるのかね? 実戦での運用実績がおぼつかない新型機ばかりになっちまうんじゃねえのか、この艦のアーマーってヤツは??」

 いぶかしげに首をひねるオオカミ族に、ふたりのクマ族がのほほんとしたさまで応じる。

「さあ、これとセットでやって来る、パイロットくんたちの腕に期待ってところかな?」


「じぶんとしてもとても興味があります! 次期主力機は、確か完全飛行型の機体とのことですので。現行主力機のビーグル・ファイブの後継機だとかで?」

「ああ、そんな話だったっけ? いや、そっちはもっぱらビーガルのおじちゃんたちだとかが受け持つことになるんだろうけど。リドルはこっちのお世話で手一杯だろう?」

「とりあえずはここまでだが、質問があるなら答えよう。ないなら、解散だ。全員、ご苦労だった」

 かいつまんだ説明だけで終わった極秘のミーティングだ。
 しごくあっさりと会の閉幕を告げる艦長どのに、三人のクルーたちは無言で敬礼を返す。

 その日の夕刻、軍港を出発した巡洋艦は、沖合で大空へと浮上。夕闇の中を悠然と南へと向けて旅立つのだった。


 次回、#010へ続く…!

※まだ執筆途上です。随時に更新されます。(予定)


プロット
 ブリーフィングルーム ベアランド ウルフハウンド リドル       → ンクス艦長 今後の予定~ 
 ギガフロート フロンティア ロックランド
 アストリオン(南の大陸)

 

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Lovely Bears♥ rainbow version

作者のお気に入りのクマさんコンビ、テディとジョーのレインボープリントバージョンです♥いわゆるゲイのカップルに見えるのか?見えないのか??とにもかくにもlgbtライクでダイバーシティなキャラクターです(^o^)

 ブサイクだけどどことな~く憎めない仲良しクマさんコンビ、テディとジョーのキャラデザイン、シンプルに続いてレインボーバージョンを無料のダウンロードコンテンツとして公開(^^)/

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 愉快なでぶちんキャラのクマさんコンビ、テディとジョーのレインボバージョンデザインです♥

 ちなみに向かって左の茶色のクマがテディで、そのお隣の灰色クマさんがジョーくんです!

 ゲイパレード、ないしレインボーパレードのマスコットキャラとしてまんま使えるのではないかと思っています(^^)/

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