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ルマニア○記/Lumania W○× Record #018

#018 ※今回からグーグル アドセンスの都合でタイトルの表記が一部修正されています(^^;) はちゃ~…!

 Part1

 
 晴れ渡る空の下、西から吹く風はとても穏やかだ。

 海面から高度およそ1000メートルの空中での対峙から両者、しばしの沈黙――。

 まずはどちらから動くこともなく、しごく冷静に互いの隙をうかがう二機の隊長機だった。

 その内の一方で、とかく大型で全体が濃緑色をした新型アーマーを駆るクマ族の若きエースパイロットは、ペロリと舌なめずりしてひとりごちする。

 背後でやたらドタバタしているらしいベテランのおじさんパイロットたちのわめき声が今も左右のスピーカーからリアルタイムで垂れ流しだったが、そんなこと一切気にもとめずで正面のメインモニターをひたすらに注視していた。

「ふうむ、やっこさん、さっきからまるで動くそぶりが無いけど、どうしよっうてのかな? このまんまにらめっこするわけじゃないだろうに、さてはこっちから仕掛けるのを待ってる……なんて受け身なヤツでもありゃしないよね? んっ……!」

 不意に耳朶を打つ、どこからか通信が入ったことを知らせる短い電子音とともに、メインモニターの一角にこの通知ウィンドウが表示される。

 ただの一瞥してそれが目の前に仁王立ちする敵アーマーからのものだと理解するベアランドだが、やや苦笑いしてどうしたものかと考え込んだ。

「あらら、軍用でなくてちゃちな民間用の一般回線なんかで通信してきてるよ……! 確かにあちらさんの軍用回線のコードなんてわからないから、これが一番手っ取り早いんだろうけど、えらく割り切った隊長さんだな? どうしたもんだか……」

 言いながらも手元のコンソールに利き手を伸ばしてスイッチをあっさりとオンにするクマ族の隊長だ。

 こちらもとかくあっさりとした性格の持ち主だった。

 するとただちに目の前の画面に見たこともない若い軍服姿の男が、このバストアップで出現するのだった。

 てっきり音声でのみの交信をするものだと思っていた若いクマ族は、目をまん丸くして思わずそれに見入ってしまう。

 ぱっと見ではもっさりとした見てくれの地味なカーキと焦げ茶の軍服、いわゆるパイロットスーツであったが、その実はすらりとしたスリムな体型であることがうかがえる男は見たところまだ若いキツネ族で、それがやけに落ち着き払ったさまでこちらを見返してくれている。

 堂とした相手のさまに、片や内心でビックリしているのを見透かされてはいまいかと前のめりだった姿勢を背後へと落ち着けて冷静を装うのだが、ちょっと苦笑いして肩をすくめてしまった。


「あらら、まさかの画像付きで顔まで拝めるとは思ってもみなかったね! ビックリしちゃったよ。あ、てことは当然、こっちの顔もバレちゃってるんだ? いやはやまったく、誰でも傍受可能な一般の通信回線で、隊長さんがやるようなことじゃないだろうさ……!」


 今さらだと取り繕うのをやめて思ったことをまんまぶっちゃけてやるに、この表情がぴくりとも変わらない相手機の隊長、こちらもまだ若いのだろうキツネ族の男は、済ましたさまで静かな口ぶりのもの言いをしてくれた。

「フッ……! このような見え透いた挑発にいともたやすく乗ってくれるあたり、貴様もなかなかのうつけなのであろう? そのふざけた見てくれのアーマーといい、相手にとって不足はなし。あらためて気に入ったぞ……」

 それはやけに雰囲気のあるさまで、おまけ勝手に何かしらの納得をしたものか?
 
 静かに左右の目を閉じる、キツネ族の男だ。

 アーマー同士の戦闘中に大した度胸だった。

 このあたり、えっ?と妙な違和感を感じる若いクマ族は、とてもビミョーな感じでそれを見てしまうが、真顔で瞳を開ける相手のキツネはまたさらに好き勝手な言いようでのたまうのだった。

 静かな口ぶりでやたらな凄みがあるが、一方的に聞かされるクマ族の耳には、もはやちょっと痛い感じで聞こえていたか?

「名を名乗れ……! この場を限りに切って捨てるつもりだったが、いいや、貴様とは長い付き合いになるのやもしれん……そうよ、これまでの戦いが物語っている。不敵な面構えがやはりあなどれぬ男よ、違うか、クマ族の隊長どの」

「は? 何、言ってんの?? 名を名乗れっていきなり……! そういうのってまずはそっちから名乗るものなんじゃないのかな? 別に構わないんだけど、名乗らないとはじまらなかったりするのかな?? なんかおかしな展開になってきちゃったよ。通信に出たの、ひょっとして失敗だったかな……」

 また大きく肩をすくめてしまうのに、モニターの中でこちらと対面する見てくれシュッとしたさまのキツネ族は、相変わらずひたすら静かなまなざしでこちらを見ている。

 内心で舌を巻くベアランドだ。

「やれやれ、わかったよ。名乗ればいいんだろう? 戦場でのんきに名刺交換もありゃしないもんだけど、ぼくの名前はベアランドだよ。呼ぶならそう呼んでくれ。まんまで笑っちゃうよね! よもやフルネームは必要ないんだろう? なんならこのスリーサイズも教えてあげようか??」

 そう観念したかに告げてやるに、だが茶化したセリフは一切、聞き入れないひたすら真顔のキツネ族は、どこまでも落ち着き払ったセリフまわしでまたほざくのだった。

「ベアランド、とな……なるほど。心に留め置いてやろう。この場で果てるような見かけ倒しの腰抜けではないと見越して……! わたしの名は、キュウビ・カタナ……カタナと呼ぶがいい」

「あらら、ご丁寧にフルネームで! でもそんなの呼ぶ機会はお互いにないんじゃないのかな? とりあえず覚えておくけど。なんの時間だったんだ。もう切ってもいいよね? この通信??」

「フッ、それがこの戦いのはじまりだと、貴様がとくと理解しているのであればな……好きにするがいい」

「あ、そ! じゃあね!! 背後のおじさんたちがえらくはしゃいじゃってるし作戦遂行中だから、遠慮無く切らせてもうよ! お互いに後悔しないように全力を尽くそうね、気取ったキツネのイケメン隊長さん!!」

「カタナだ。そう呼ぶことを今し方、許したはず……」

 もはや聞く耳持たないクマ族の若い隊長さんだ。

「ようし、ランタン、パワー全開でただちに戦闘機動だ! あのおかしな白いアーマー、やたらにすかしたキツネ族の隊長さんをとっとととっちめてやるぞ!! 全砲門開いてお前の本気をしっかりと見せてやれっ!!」

 Part2


 ※ベアランド小隊、ダッツとザニー、キュウビ小隊、チャガマとゴッペのコンビのアーマー・バトル!時間があれば…!!  
             保留w


 Part3


 大空に縦横無尽に無数の光りが走り、轟音がとどろく!

 ビームと銃弾が激しく交錯する二機のアーマー同士の決闘は、いよいよ佳境を迎えつつあった。

 ベアランドが搭乗する新型アーマーの周囲を凄まじいスピードで駆け巡り、四方八方から銃弾を見舞う敵のキツネ族のアーマーは、一瞬だけその動きを止めて、また互いに正面でこの機体を向かい合わせる。

 白の可変型アーマーが今はスリムな人型のロボット形態となって空中に直立して静止。そのコクピットの中で正面のモニターをにらみ据える若きキツネ族の隊長は、異様な見てくれをした緑色の大型アーマーに向けて言葉を発するのだった。

 あいにくとあちらからの通信は切られていたので聞こえはしないのだが……。

「フッ……! どうした、まだその実力の全てを見せてはいないのだろう、貴様は? のらりくらりと攻撃をかわすだけでは戦には勝てはしないぞ。いい加減に本気を出すがいい……!!」

 いいざま殺気を放って操縦桿を手前に引き寄せる、自らをカタナと名乗ったキツネ族は目に止まらぬ足裁きと利き手のクイックモーションで機体をジェットフライヤーに変形、急上昇させる!

 対するクマ族の隊長、ベアランドは飛行タイプで特攻さながらに急接近する敵影、これを反射的に真正面から受けてやろうと待ち構えるが、それが突如として目の前で急停止、おまけロボットのアーマー形態で対峙するのにちょっとだけ意表をつかれる。



「そんな無理矢理な突撃かけようがパワーとガタイのでかさじゃこっちが上さ! はたき落としてくれるっ……て、なんだ、いきなり急停止してそんな見つめられても? て、また!!」

 つかの間の静寂だけ感じさせてさっさと飛行形態に変形、かつ上空へと逃げ去る敵影を一度は視線だけで追いかけるが、また直後には舌打ち混じりに背後へとその視線を転じていた。

 目にも止まらぬ素早い機動で相手を攪乱した後、この死角を突いてくる敵のやり口はとっくに理解していた。

 よって思ったとおりにこの機体の背後に上空から急襲かけてくる白いアーマーの影を、目の端でチラとだけ確認するなり迷わず手元のトリガーを引き絞るベアランドだ。

「ほんとにひとのバックを取るのが上手だな! いやらしいったらありゃしないよっ、でもあいにくとコイツに死角なんてありゃしないんだ! そら、ランタン、一発食らわせてやれ!!」

 ドドンッ……!!

 大きくていかつい見てくれの機体の至る所、果ては背後にまで装備した高出力のビームカノンを一斉射して不意打ち見舞ってやるが、憎らしいこと相手はかするでもなくこれを難なく回避してのける。

 だがおよそ山勘で撃ったのは、はなからただの牽制のつもりだったクマ族のエースパイロットは、その隙に大型の機体をぐるりと反転させてまた敵のアーマーと真正面で対峙する。

 ここでまたつかの間のにらみ合い……!

 その末にもはやいっそゼロ距離射程での肉弾戦、ドッグファイトに持ち込もうかと図体のでかい機体のスロットルを利き足で踏み込むベアランドだが、あいにくと敵の白い影はこの姿をまたしてもやでいずこかへとくらましていた。

 スピードではいささか分が悪いのがイヤでも思い知らされる。

「あらら! こりゃあらちがあかないな? いつまで経っても無意味な追いかけっこのまんまだよ。ひょっとしたらこっちのエネルギー切れを狙ってたりして? あの異常なスピードに対抗するのはできなくはないけど、一か八かなんだよな……!」

 通常よりも巨大な機体の鈍重さを補うためのギミックとして、それすなわち本体から切り離して遠隔操作が可能な、両腕の独立機動型のハンドアームカノンがそれを担っていたが、これは既にネタがバレているので無闇やたらには使えないと承知していた。

 相手のただならぬ力量から察するに、これ見よがしなロケットパンチは簡単によけられた挙げ句にまんまと撃ち落とされたりしかねない。母艦でこの帰りを待っている若いクマ族のチーフメカニックの青ざめた顔が脳裏によぎって、かなりためらわれた。

 おまけ壊れたパーツを海から引き上げて持ち帰るのもかなりの難儀だ。開発経緯が何かと特異な新型機では従来機との部品の共有も困難だった。

 内心で舌打ちしてしまうが、ふっと正面のメインモニターの左の隅で何やらやたらにガチャガチャとした光景が見切れた気がして、そちらに意識を向ける隊長のクマ族だ。

 すっかり失念していたが、同じ部隊のメンバーのベテランのおじさんクマ族たちがかなり混乱したさまで自機のアーマーを右往左往させているのにパチパチと目を白黒させる。

「あっ、ダッツ中尉とザニー中尉どの、経験豊富なやり手のクマさんコンビがずいぶんと苦戦してるみたいだな? 意外と?? そういや相手のおんなじ赤と青のカラーリングのアーマー、どっちもかなり特殊な兵装だったけど、出撃前のブリーフィングで説明してなかったけ?? 所見でアレは確かにしんどいか……!」

 左右のスピーカーはやたらとうるさいから今はオフにしていたのだが、あらためてオンにすると思った通りだ。

 やかましいおやじたちのわめき声が左右の耳をつんざいた。

 やはりこれまた思った通りの展開らしい。

 それにつき、ははん、とひとりで納得する隊長さんだ。

「そうそう。あの赤い大型のアーマー、相手からのビームのエネルギーを機体前部にあるあのおかしな形のシールド・ジェネレーターで吸収して、おまけに跳ね返すだなんて反則じみたマネをするんだよね! それを相棒のあのやたらに身軽で小回りがきく青い小型のアーマーがさらに空中ではじき返して、あらぬ方向からカウンター攻撃を繰り出すだなんてこれまたとんでも戦法で相手を攪乱するという……あ、そっか! その手があったか!!」

 ピンと何かしら閃いた顔つきでペロリと舌なめずり。

 おまけに頭の左右の耳を楽しげピクピクさせるクマ族は、にんまり顔でもう傍らの白いアーマーへと向き直る。

「へっへ、いいこと思いついちゃった! 毎度毎度で申し訳ないんだけど、この場をお開きにするとっておきの戦法がぼくらにはできるんだよね? 思えば前回もピンチをこれでまんまと切り抜けたし♡ あの赤いアーマーくんには悪いんだけどさ……!」

 アーマーの主動力源、メインエンジンのパワーバランサーを素早く片手で操作しながら手元の通信機のスイッチをオンにする。

 すると通常の一般回線のそれはまだ生きていたようで、そちらに向けてしたり顔して言ってやる。

「おほんっ、ええ、聞いてるかい、キツネ族のやり手の隊長さん! ん、カタナ、だったけ? あいにくとこの場で決着はつけられなかったけど、とりあえずで判定勝ちくらいは決めさせてもらうよ。当然このぼくらのね!」

「……貴様、何を言っている? うつけたことを……」

 やや間を置いて聞こえてきた怪訝な相手の返答には一切、耳を貸さずに一気にまくしたてた。

「悪いけどこっちもいろいろと忙しいんだ! 本来の目標はもっと先だし、なるべくならみんな無傷でたどり着きたい。ここでこんな消耗戦は望まないんだ。戦場は広いんだから、またしかるべき時にしかるべき場所でお相手するよ。それじゃまたね!」

 言うなり今度は左右のスピーカーに向けてがなるクマ族だ。

「ダッツ、ザニー、両中尉とも流れ弾に気をつけてくれよ! ちょっと無茶なことをするから、とにかく全力で回避してね!! それじゃっ、ランタン!」

 いきなりのおまけ何やらただならぬものの言いに、左右の耳にはびっくりしたようなおじさんたちの声が絡みつくが、やはり一切気にせずで握った両手の操縦桿に力込めるベアランドだ。

「よっし、なんの予行練習もなしにいきなりでアレなんだけど、フルパワーで全砲門一斉射撃だ! フルレンジバースト! ついでにメインのコアブラスターも完全解放、拡散なしの一点集中でぶちかますよっ、狙いは当然、あの赤いアーマーの突き出た土手っ腹のジェネレーターだ!!」

 一度深呼吸しながら手前に引き寄せて、雄叫び発してただちにそれらを思い切りに押し倒す。

「そおらっ、ゆくぞ、ランタン! おおおおっ、フルバーストしてからのおっ、はああっ、ライトニングボルトぉおおっ!!!」

 その瞬間、すさまじいエネルギーの圧がその機体の全身から吹き上がるのがよそからでもはっきりと見てとれただろう。

 巨大な身体中の至る所に装備された無数の砲門が一斉に光りの光弾を四方八方へと吐き散らす。

 それはそれは壮観な眺めだが、その場に居合わせた周りからしてみればおよそただ事ではない大惨事だ。

 敵味方お構いなしに放射状に放たれる光りの束、ひとつひとつが戦艦の主砲さながらの灼熱のエネルギー弾は、ただの一発食らえば機体が粉みじんになりかねない。

 しゃがれたおじさんたちのたまぎる悲鳴や怒号が聞こえたが、そこにはひとつも耳を貸さないで画面の左の奥にターゲットした目標をにらみ付ける隊長だ。

 機体前面下部、腹からやや下のおよそ股関節あたりに位置する固定型の大型キャノンはここぞという時のための奥の手で、ひとたび唸りを上げれば射線上にあるもの全てを灰燼と化すほどの飛び抜けた威力を秘めていた。

 ただしその代わりにひとたび撃てばエネルギーの損失が激しく連発は不能、かつこれ以降の機体の戦闘機動にかなりの支障を来したりもした。

 ぶっちゃけ機体上部に装備した戦艦ばりの大出力シールドジェネレーター(バリア)の稼働がしばらく不可能になるほどの大食らいなのだが、そこにつけ込まれてはかなりキビシイ局面におちいる。

 言うなれば諸刃の剣だった。

 よって右手のモニターに映る敵の隊長機を目の端っこだけで意識しながら、だがこの焦点はしっかりと赤いアーマーにのみこの意識を集中させるやり手のクマ族だ。

 してやったりと右の拳でガッツポーズをつくる。

「やったね! 大当たり!! ど真ん中にど直球でぶち込んでやれたよっ、さすがにキツいだろう? 戦艦の主砲を何発もまとめて食らった大ダメージはいかにエネルギー吸収型の新型ジェネレーター搭載機でも無事でいられるはずがない! ほうらね!!」

 機体各部から白い煙か蒸気みたいなものを発する赤いでぶっちょのアーマーに、にまりとほくそえむ隊長さんだ。

 左右のスピーカーからは部下のおじさんたちからあわ食った声が聞こえるが、やはりしれっと聞き流した。

 そうしてぐるりと視線を左手のモニターへと向かわせる。

「ちょちょちょっ、なんやねんっ、いきなり!? びっくりしたあ!!」

「た、た、隊長、いきなりなんですの? わけがわからへん、どないして??」

「いいから! ぼくらの勝ちだよ、それだけだ! 見てればわかるさ♡」

「なんでぇ?」

「ほええ??」

 ひどく動揺したおやじたちの声をやり過ごしながら、相手の隊長機の挙動にのみ意識を集中――。

 するとつないだままの通常回線からかすかな舌打ちめいたものが聞こえたようで、回線をぶち切るなりに白いアーマーはあらぬ方向へとこの向きを転じる。

「ハッ、やっぱり、そうなるよね? 前回の時もそうだったけど……!」

 頭のメインカメラが追尾する景色、およそこちらからの射程を外れた大回りの機動で被弾した仲間の元へと合流する白いアーマーは、息も絶え絶えかのような赤い大型アーマーと青い小型アーマーに転進を命じて、みずからはダッツとザニーのアーマーに威嚇の射撃を食らわせながら自身の機体もじりじりと後退させる。

 これにて勝負ありだ。

 負けじと気を吐くふたりのおじさんクマ族たちには深追いはするなと伝えながら、遠ざかっていく三機のアーマーをモニター越しに見送るベアランドだった。

「ふうむ、ああやって負傷した部下を見過ごしておけないってあたり、やっぱりいい隊長さんなんだよな? 性格的にあんまりおともだちにはなりたくないけど。やれやれだ! さすがに3度目はもう通用しないだろうから、また他の手を考えなくちゃね。そもそもリドルはこんな無茶なやり方、あんまり賛成はしてくれなさそうだし……」

 いいながらちょっとだけ思案を巡らせて、残る仲間の機体に向けて通信を開く。

「それじゃ、ダッツにザニー中尉、休む間もなしにアレなんだけど、見たところどっちも機体に目立った損傷はなさそうだからこのまま目的地のアストリオンに……ん?」

 不意にモニターの真ん中に浮かび上がる注意喚起のビックリマークと短い電子音の警告に、場の空気がちょっとだけ静まりかえる。

「え、今さら新手かい? いや、なんだろう、何かがぼくらの背後からやけに低速で近づいてくるぞ? これって……」

 機体をぐるりと背後へと巡らせて、メインカメラが改めて捉えた映像に見入るクマ族の隊長はややもせずに納得していた。

「あ! あれって、ビーグルⅣだよな? リドルの補給機か! わざわざここまで追っかけてきてくれたのか、ありがたいな♡ 燃料と弾薬の補給ができるし、日が暮れる前までに内陸のポイントまで行けそうだ。それじゃ、合流するよ、我らが天才メカニックくんのお世話になろう、まさかの空中補給とは、でもこれはこれでいい訓練だよね!」

 強敵との戦いから仲間の補助を受けて、また新たな任務、本来の目的へと駒を進めるベアランド小隊であった。

 目的地の中央大陸はひたすらな広がりを見せて大海に横たわる。

 その遙か内陸の地に、目指すべきターゲットがあった。

 戦いはこれからなのだと弛みかけた気を引き締めるクマ族小隊である。

              ※次回に続く……!
 

プロット  ベアランド vs キュウビ
     お互いに通常回線でのやり取り、
     ランタンとゼロシキの空中戦
     ダッツ、ザニー vs チャガマ、ゴッペ

※本記事はまだ執筆途中です(^^;) 創作過程をニコ生ライブで絶賛公開中!オリジナルのキャラクターと話せたりキャラが歌ったりするよ♪