機動戦士ガンダム・二次創作ドレンが主役だ!!
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↓第一話からはこちら↓
↓オリジナルのノベルもやってるよ☆↓
宇宙(そら)のフロントライン リック・ドムの黒い三連星 ①

黒い三連星のドムのヘッドのイメージ…
なんかドムより可変MSのアッシマーっぽい?描き方??
ちなみに後ろにも目、サブのカメラがありますw
黒い三連星のドム
一番機(ガイア機) ノーマルポジション
二番機(マッシュ) 索敵能力強化、射撃性能強化型
三番機(オルテガ) 近接戦闘・格闘特化型?
Scene2
PartB
四方八方、見渡す限りが宇宙ゴミだらけの暗礁宙域は、もうじき終わりを迎えつつあるようだった。
あえて敵艦のレーダーによる補足を避けるために難しいコース取りを選んだのだが、迫り来る大小無数の残骸デブリもこれをものともせず。まっすぐの道のりをひたすらに突き進む、リック・ドム部隊だ。
隊の頭を張る一番機の隊長、ガイアは、ここまでワンミスもなしに部隊を先導してのけたことに内心でにんまりとほくそ笑む。
それだから背後の僚機たちへと意気揚々と通信を開いた。
隠密機動でもここまで近づけば、敵方のレーダーに捕捉もされるだろう。視界の悪いこのゴミの海を抜けたらすぐさまドンパチなのだからもう遠慮することはないと、あえてでかいボリュームでがなってやる。
「ようし、もうじき始まるな? コクピット内の空気がヒリついてやがる……! だったら野郎ども、用意はいいか? デブリを抜けたら一気にしかけるぞ!!」
景気良く号令を発する隊長に、僚機の部下たちからもおなじく威勢の良い返事が返ってくる。
二番機のマッシュ中尉から了解とともに補足がなされた。
「了解! こっちのレーダーでもきっちりと三つ、反応を抑えているぜ? おそらくは話しの通りの駆逐艦、みんなおなじみのサラミス級ってところか!」
元は同じタイプのMS(ドム)でも、索敵能力がより強化された機体を操る都合、隊長のガイア機よりも状況の解析はお手の物だ。
MS部隊を最低でも一個小隊は擁しているだろう駆逐艦が三隻というのはちょっと骨なのだが、いくつもの死線をくぐり抜けてきたベテランパイロットたちは少しも臆したところがない。
部隊の最後尾でしんがりを勤めるオルテガ機からもバカに明るい男のだみ声が入ってきた。
「あっは、それじゃガイアの兄い! ひとりあたま一隻でいいんだよなあ? 軽い軽い!! がっはっは!」
頼もしい兄弟たちの返答に口元またにんまりとほくそ笑みながら、正面のメインモニターの先にあるだろう敵影をにらみつけ、その場においてのひらめきを口にする隊長さんだ。
はじめにサラミス級が3とは聞かされていたが、状況としてこれをまんま鵜呑みにしているわけではなかった。

「おい野郎ども良く聞け、対空砲火がやかましい駆逐艦が三つも固まってられたら少々厄介だが、実際はそんなことはねえとこの俺は踏んでいるぜ? おそらくは2で、残りのはせいぜいちゃちな補給艦ぐらいなもんだろう。場合によっては護衛艦が1で、残りのふたつが補給艦とかもあるかもな!!」
「ああ、なるほど、確かにヤツらも補給はしないわけにいかないからな? 最寄りのコロニーから都合良く物資の援助、最悪強奪がかなうとも限らない。艦自体は地球から上がって来たのか?」
「どうでもいいことだろう。スクラップにしちまうことには変わるまいだ。もとよりアースノイドに遠慮はいらねえ……!」
百戦錬磨のMSパイロットとしての経験と勘も踏まえての憶測に、なるほどと納得顔の二番機だ。加えて背後のしんがりからまた明るいだみ声が返ってくる。
「がっはは、いいや、補給艦が2なんてことあるのかな、ガイ兄? そんなもん支援物資たんまり抱え込んでちゃ、ただのどんガメの足手まといでしかありゃしないぜぇ??」
それじゃ楽勝過ぎる!とことさら馬鹿笑いする巨漢の弟分に、長兄のガイアはニヤリとしながら意味深に返してやった。
「どっちも補給物資ばかりとは限らないだろう? ああ、ひょっとしたらMS(モビルスーツ)ってこともあるかもしれないぜ? 新型のよ?? ふふん、2ならそのラインがより濃厚だ……!」
冗談交じりに口にしたセリフに、回線の向こうでは驚いた感じの静寂があるが、真ん中の機体の次男坊こと自称・隻眼のクールガイ、マッシュがしれっと口を挟む。
「おっと! 悪いな隊長、水を差すようでなんだが、それぞれの反応からすると、戦艦が2で補給艦が1だ! 熱反応が高いのが真ん中とこの右、左のはのっぺりしたブルー一色だ。やけにでかいな? まあ、それだけ物資が満載ってことか!」
「いいなあ! どうせならまとめて横取りしちまおうか? おれ達だけでこっそりと、げひっ!」
口からよだれでも垂らしてそうな欲望まみれの物言いに、だがあんまり気乗りしない風な隊長はあっさりと受け流す。
「やめとけ。取りに戻るのが面倒だ! 補給艦はほっといて、問題は護衛のサラミスだ。当然MS隊が張り付いてるはずなんだが、まだ出てこないのか? もたもたしてたらブリッジにこのバズをドン!ではいさよならだぞ? 連邦め、よっぽどシロートの寄せ集めなのか、ふん、このドムがなめられたもんだな!!」
互いの物理的心理的障害となる暗礁宙域を抜けたら一直線に視界が開ける。もうじき二番機ほどにレーダーの範囲が広くない通常仕様の自機でも相手を捕捉できるくらいになるだろう。
ならば敵陣営にも動きがあって当然なのに首を傾げるガイアの耳元で、この背後に付けるマッシュがすこしいぶかしげに応じてくれた。
「ああ、そっちの反応は皆無だな? 戦艦の観測能力からしたら確かにおかしいっちゃあおかしいが、いいや、奴さんにオレ達がうまく近づきすぎてるのかもしれないぜ? まあいずれ蜂の巣をつついたみたいな大騒ぎになるんだろうがっ……ん、いや、待てよ? コイツはっ!!」
「ん、どうした? マッシュ?? ん、なっ……ぬあ!?」
直後、それまでの静寂を突き破り、突如として激しく鳴り響く大小無数の警告音!
反射的に見たモニターの中、この中央でかすかな光が明滅して、やがてはげしい光の洪水が目の前を満たした……!!
まだ暗礁宙域を抜けきっていないのにも関わらず、いきなりの先制攻撃に目を見開くガイアだ。駆逐艦の攻撃レンジにはまだおよばない目測だったのだが、ビーム砲の一斉射が見舞われたのにこれを理解するよりも先に身体が反応していた。
敵の射線上と己の間に障害のデブリを挟む回避機動を取るが、すぐさま背中のバーニア最大噴射で現空域を離脱!
強力なビームの一撃は宇宙ゴミなどものともせずにこの射線上のものを蒸発させていた。ドムの装甲でも直撃は危うい。
「くっ、駆逐艦のビームじゃねえだろうがっ、この威力は!!」
これまでの算段が多いに狂ったことが予期されたが、おなじく大きく回避機動を取ってフォーメーションを崩す二番機からの入電で嫌な予感が確定となる。
「チッ……こいつはっ、巡洋艦だ! マゼラン級!! やばいぞすっかり射程に入っちまってるっ、護衛のサラミス(駆逐艦)は前進、MS部隊はこっちに張り付いてやがるな!!」
「ええいっ、話がまるで違うじゃねえか!! 補給艦の護衛に巡洋艦なんざ聞いたことがねえっ、何を積んでやがる? ……いいや、野郎ども、立て直しだ!! デブリを盾にしながら巡洋艦の攻撃を回避、近づいてくるMSと駆逐艦は各個に撃破だ!! まずは丸裸にしてから残った巡洋艦を蜂の巣にしてやるぜっ!! 補給艦なんざどうでもいいっ、それよりもっ!!」
怒りにまかせた怒鳴り声を発して、目の前のサブディスプレに向けて渾身の中指を立てる隊長、ガイアだった。
「このくされあほんだらぁっ!! どう始末を付けてくれやがる? このオレ様のおろしたてのMSに傷なんざつこうものなら、その寝ぼけたツラ思い切りどつき倒してやるからな!! 覚悟しろっ!」
モニターの向こうで思わずのけぞる肥満したおやじに啖呵を切ってにらみつけてくれる。あわてふためく相手はあわあわと何事か言ってくるが、あいにくノイズ混じりでよく聞こえなかった。
「この埋め合わせはきっちりとやってらもうぞ! マッシュ、オルテガ! フォーメーションは一時解除だっ、あの駆逐艦が不用意に間を詰めてきたら一気に畳みがける!! タイミングとちるなよ? MS相手でも暗礁の中ならこっちの地の利がでかいから、無理せず落ち着いてやれ! モグラ叩きだ!!」
「了解!!」
気づけばドタバタの内に戦いの幕が切って落とされた。
素人目には多勢に無勢の戦いだが、歴戦の猛者たちは怯むことなく敢然とこれに立ち向かう。
緊迫した空気の中、離れた場所から通信してくる戦闘補助要員のおじさんの声がむなしく響いた。
『おい、どうした! 何があったんだ? だから状況を説明してくれよっ、おいって!!』
「うるさい黙ってろ! 誰のせいなんだよっ? このケツデカ!!」
忌々しいことこちらの射程外からの連続のビーム砲撃を回避しつつ、迫り来る敵駆逐艦とのドッグファイト!! おまけにMSとの命がけの追いかけっこだ。果たしてどちらが鬼なのやら?
何にせよ罰ゲームもはなはだしい。
モニターの中で見知ったおやじが動転してるのが見ていて楽しいあたり、まだまだ余裕があると我ながら口元のあたりにんまりとするガイアだった。無駄玉は撃たない主義だが、あえて駆逐艦めがけてMSの利き手に持たせた大口径のバズーカをうならせてやる。あいにくとハズレだったが、そのせいでそこにへばりついていた子分どもをまんまと引きはがせたようだった。
わらわらと浮き出たMSらしき影が方々に散っていく……!
その内のひとつがたちまち赤いバッテンマークが点ってディスプレイから消失する……!! 部下のおそらくはマッシュが自前のバズーカで手堅く仕留めたのだと察するガイアだ。MSの索敵能力が高いぶん、射撃性能もその腕もピカイチの狙撃手であった。
「はあん、あちらさんも火の車みたいだな? 今の丸っこいの、ありゃMSじゃねえだろう? くく、追いかけっこにもならねえかもしれねえな! 野郎ども、駆逐艦は引き受けてやるからまずはおまえらで雑魚を仕留めろ!!」
予備弾倉には手を付けないと決めていざ敵の駆逐艦に狙いを定めてバーニアをふかす隊長機だ。まずは直線軌道で浅めのヒットアンドアウェイ! いっそのこと全体に揺さぶりをかけてやる腹づもりで轟然と迫る。
『だからぁ、何がどうしたって、言うんだよぉおおお!?』
耳の奥にこだまするおやじの遠吠えには食い気味にがなる。
「いっぺん死ね!!!」
何故かこの時、勝利を確信していたガイアであった。
Scene3
PartA
暗礁宙域を抜けた先はもはや敵陣で、敵は大型の巡洋艦に護衛の駆逐艦、それにおまけで補給艦らしきがくっついていた。
非力な駆逐艦の寄せ集めというはじめの予想を大きく覆すものだが、そもそもでこの最初の予測がどこらへんから来たのかも怪しい今現在だ。これにより初手だけややしくじりはしたものの、無難に不利な戦況を挽回していく隊長機のガイア以下、黒い三連星のリック・ドム部隊であった。
巡洋艦を背後に控えて単艦で突撃してきた駆逐艦のサラミスはいわゆる陽動部隊の囮とでも言ったところか?
だがそんなものお茶の子さいさいで右へ左へと軽々と翻弄する隊長機のリック・ドムだ。
機銃やビームによる対空砲火の弾幕をいともたやすく突破して敵艦のブリッジへと肉薄する!
ほぼ同時、MSの右肩に担いだバズーカの照準を艦橋に合わせかけたところで激しい警告のブザーがヘルメットをつんざく。
舌打ちして回避機動に転じていた。
「チッ、狙ってやがったのか? こすいマネをしやがる!」
重力のない宇宙空間では上も下もないものだが、機体の機動力をいかんなく発揮して縦横無尽に飛び回るガイア機だ。
後方でいやらしいビーム砲撃をかましてくる巡洋艦との間に駆逐艦を挟んでいるのがみそだった。相打ちを避ける都合、思ったようには砲火を集中させずにビームの弾幕をいなしている。
さっきのはこちらがブリッジにアタックをかけるのを見越した上での待ち伏せ、狙い撃ちだったのだろうと合点。
するとこの状況を今は暗礁宙域の向こう側でのんきに見ているだろう艦長代理の副官には、胸の内を図星で言い当てられてまた舌打ちした。

『おい、完全に狙われているんじゃないのか? そもそも連邦の戦艦は艦橋が複数あるんだから、ブリッジ潰しは必ずしも有効打とは言えないだろう。若干のあいだ機能を麻痺させるくらいで? だったらいっそのこと……!』
「チッ、メインのエンジン潰しちまったほうが早いってか? さっすが、シロートさまは考えることが単純明快でいらっしゃる。いいや、エンジン潰すのなら不意打ちでかつ安全な距離を取ってからだ! 至近じゃ即座に爆発炎上する艦の爆風と破片にこっちまで巻き込まれて誘爆するのが見え見えだからな? そこいらのMSやファイターと違ってただ墜とせばいいってものじゃないんだよ、図体でかい戦艦ってのは!」
『ほおぉ! ……そうなのでありますか、少佐?』
ちょっと怯んだ顔でおまけ背後の艦隊長どのにお伺いを立てるのには、呆れてまたこの中指立ててしまうガイアだ。
「バーカ、そんなのは時と場合とそいつの考え方によりけりだ、絶対なんてねえ!」
内心でぺろりと舌を出しながら周囲のディスプレイを見渡して今現在の状況を冷静に把握する。
正面下側のサブディスプレイで目を白黒させているおやじと無意識に視線が合うが、そのせいかまたもやあわ食ったさまで画面の中の代理艦長、副官のドレンが声を荒げる。
『おい、少佐が首を傾げているぞ? いい加減なヤツめ! まあいい、とにかくそちらの状況、巡洋艦が1に駆逐艦、サラミスがおなじく1なんだな? あとは補給艦? 了解した! 援軍は今から送って間に合いそうか?』
相手からしたらおおまじめでも、こちらからしたらよっぽどにとぼけた言いように再三で舌打ち返す隊長どのだ。
「けっ、今さら何を言ってやがる? とろいザクであの暗礁宙域を突破してこられるとでも?? もとより状況見て言えよ。これがそんなピンチに見えるってのか、てめえの節穴じゃあ???」
『み、ミスったのはそちらがうかつだったのもあるだろうが? 俺だけの責任じゃないはずだ!! ここから挽回する!!』
「ぬかしやがれ! てめえにゃはなから期待なんざしてねえよ」
あっさりと言い捨てて相手の言い分はすっかり無視する。
言い合いしててもらちがあかないし、優先すべきは他にいくらでもあった。現時点での戦況は、こちらが押せ押せで断然有利だ。結局MSどころか中途半端なボール型の改修型突撃砲台が五機だけで、マッシュとオルテガの両機によってあっさりと撃破。
残すは目の前の駆逐艦だけ。
これをきれいに片してから大ボスの巡洋艦なのだが、何かまだ忘れているのではないかと首を傾げたところで背後のマッシュ機から通信が入った。
「隊長! 奥の巡洋艦、まるで動かねえと思ったらどうやら陽動だったみたいだぞ? あいつ自体がこっちの気を引くための!」
「どういうことだ??」
怪訝に聞き返すに、マッシュではなくサブモニターのおやじが声高に返してくれる。
『おや、補給艦はどこに行った? いたはずだよな!? まさか仲間の護衛を置いてさっさとそれだけ戦線を離脱したのか!!』
モニターで確認したら、そこに確かに大きな巡洋艦の隣で地味に映ってたはずのそれらしき艦影がすっかり消え失せている。
はじめ目を疑うガイアだ。
「なんだあ? 自衛もろくにできやしない補給艦だけでおめおめと逃げ出すなんざ、おいおい、積み荷はそんなに大事なものなのかよ?? 何を乗っけてやがる!? どうする?」
思わずサブモニターの見知ったおやじに聞いてしまうに、小さな画面の中でしばしだけ逡巡したかのベテラン士官である。
すぐにまじめな顔つきして返してくれた。
『無視していい! 今はそれどころじゃないだろう? 二手に分かれて追撃したところで燃料が保つまいだ。無駄な危険は犯さないに限る! おまえらが還って来れなければ意味がないんだ』
その発言から優先順位が明らかに自分たちであることに自尊心が良い感じにくすぐられて自然と声のトーンが落ちるガイアだ。
「……ふうん、なら後で文句言うなよ? ま、このオレも言うほどにゃ興味はない。新型のMSって可能性、ゼロじゃないんだがよ?」
『そいつの中身が何であれ、連邦の木馬への到達自体は阻止したのだから目的は達成している。そこから転進して先行している敵艦に追いつくのは、今さらどのコース取りをしても不可能だろう? ならその新型は、どうぞよそでお披露目してもらおう!』
「あいよ。おかげでどこぞの誰かが結構な貧乏くじを引くことになるかもしれねえが、そんなのはそいつらの運だよな? オレたちが知ったこっちゃねえや……じゃ、オレは目の前のサラミスに専念させてもらうってことで!」
大きな戦艦の残骸に一時だけ身を潜ませていたいかつい機体を素早く各部のバーニア噴かせて冷たい虚空に踊り出る。
直後、駆逐艦の真上から攻めるかたちで、このメインブリッジを根元まで損壊させてやるべくバズーカ構えて急降下した。
上も下もないのだが感覚的にはそういう感じになる。
正面や側面から攻めるよりも真上は艦砲の守りが薄く、まばらな弾幕をすり抜けてあっさりとこの上面の屋根近くに降り立つドムである。それきり眉ひとつ動かさずに凄腕のMSパイロットはバズーカの引き金を引き絞るが、その半ばで不意に耳朶を打つ仲間の声に動揺が走る。舌打ちしてそこから機体を緊急離脱させていたのは死線を幾度もくぐり抜けてきた戦士の勘と反射神経だ。
「やばいぞっ、隊長! 回避だっ!! その駆逐艦ごとっ……!!」
「なっ、なんだとっ!!?」
「あっ、兄いぃっ!!」
二番機から制止がかかる寸前、目の端でまばゆい光の閃光が幾筋も走るのは認めていた。てっきりじぶんめがけて放たれたビーム砲撃かと思ったが、それが思いも寄らぬところに集中してたちまち爆発炎上するのを両目をひんむいて凝視してしまう隊長だ。
およそ言葉が出てこない。
「さ、サラミスを……!?」
目の前で艦橋から胴体から激しく誘爆しながらすべてが炎に包まれ轟沈する敵艦。これにその場の全員が凍り付く。
ヘルメットの中であわ食ったおやじの声が場違いに響いた。
『なんだっ、今のは、巡洋艦からのビーム砲? 同士討ちしたのか?? まさか、敵味方もろともに誘爆させて撃破しようってのか!?』
それきり声が途絶えるのに、ゆっくり息を吐き出して応じるガイアだ。
「見ての通りだ……! ふざけやがって、ああ、だがおかげでちょっとだけ興味が出てきちまったな? そうとも、あの逃がしちまった船の中身ってヤツによ??」
今となってはもはや手遅れなのだが、戦域からまんまと離脱していった敵の補給船の消えた行方を見つめてしまう。
だが息つく間もなくさらなる状況の変化が警告音とともに巻き起こる。本番はこれからだった。
二番機のマッシュが再度緊迫したセリフを発する。
「ガイア、MSが来るぞ! 反応三つ、ヤツら温存してやがったのか? しかも、待てよ……?」
「ああ、こっちでも感知してるぜ。おそらくはジムってヤツか? 今頃出してくるってあたり、さっきのサラミスはほんとに捨て駒だったんだな? 笑わせやがるぜ、万が一のチャンスを捨ててるあたり? ちゃちな雑魚の一個小隊ごときで、どうしてこのオレたち黒い三連星に抗えるって言うんだか……!」
「兄いの言う通りだぜ! でも兄い、のろっちいジムにしては、ちょっと早いみたいだぜ、この機動値演算からするには?」
『油断するなよ?』
「誰に言ってやがる? おい、マッシュ……!」
顔つきむすりとして険しい隊長は戦況解析を随時にこなす二番機に目を向ける。すぐさま的確な返事が返ってきて納得しながら、今度は画面下のくたびれた二重あごに向けて聞いた。
「ああ、ジムには違わないが、こいつはこれまでのデータにない改良型だな! きっちりモニターしないと後々厄介なヤツだ」
「めんどくせえな? 他のヤツらにやらせろよ、じゃあどうする、ケツデカ、じゃなくて、ドレンの副官どの?」
『好きにしろよ? そちらの判断に任せる。なんだって現場優先だ! もちろん勝てるんだろ?』
「当たり前だろう? ちょっと機体をいじくったくらいのマイナーチェンジ機が、このオレ達専用にバージョンアップしたカスタム機にかなうはずがない。黙って見ていろ。それじゃあ野郎ども、今から最後の仕上げにかかるぞ!!」
「了解!!」
大きな獲物を狩るべくした、三匹のどう猛なる番犬が暗い宇宙(そら)を縦横無尽にひた走る。
小隊単独での敵戦艦二隻撃沈、MS多数撃破!
黒い三連星の異名に花を添える暗礁宙域突貫の電撃作戦だ。
期せずして連邦軍の逆襲計画のひとつを阻んだこともあり、以降、これが長きにわたり連邦軍の心胆寒からしめる伝説のひとつとなる……!
Part B
本来は地上侵攻作戦が主たる目的で開発された機体のドムを、宇宙戦仕様に発展改良させたものがリック・ドムである。
そしてそれをさらに大規模改修いっそのこと魔改造して機体各部の姿勢制御系バーニアや推力エンジンを極端に増設、かつ出力を大幅に上げた超高速高機動型のカスタムモデルが黒い三連星のガイアたちの専用機となる。
通称、三つ星・エディションと呼ばれる、ごく限られたエース級向けのハイスペックモデル・シリーズだ。
メインのエンジン出力や各部バーニアの配置数が上がれば上がるほど機体制御やパイロットに掛かる負荷が激しく困難なものになるのだが、乗り手の要求するままに人間の限界一杯まで機能を詰め込んだ機体は、もはや通常機よりも一回りも大型で異様に肥大化した見てくれとなっていた。
そしてそのためか以後、彼等と同じ機体を使用したパイロットはおよそ皆無であったというほどに――。
およそ常人では扱いがたい強化型MSを乗りこなすガイアにとり、連邦の量産型MS・ジムは可もなく不可もないまるで面白味のない凡庸な機体となる。ただし今回のものは宇宙戦特化型の改良機であるらしく、これまでの動きののたくらしたザクに毛が生えた程度のそれよりかは、ずっと機敏に稼働しているようだ。
記憶にある通常仕様機と比べればだいぶ身体つきがゴツゴツとしたバーニアましましの高機動型は、自軍の新型と比較してもそれなりの評価ができた。バカみたいな加速と減速を繰り返してはそのクセ糸の切れた操り人形みたいな不自然な挙動が、ちょっと薄気味悪いなと見やりながらに小さく舌打ちが出る。
「……っ、ずいぶんとイカれた運動性能してやがるな? オレの09も大概だが、あいつらのもあれでわけがわからない機動力を無駄なくらいに発揮してるぞ? ちょっと狂気じみてるだろ、宇宙でダンスを踊ってるわけでもあるまいに全部のバーニアをフルで噴かしてやがる! およそMS運用のセオリー無視だ。パイロットは正気を保っているのかね? 自殺行為だろ!!」

バズーカの狙いを付けるのがほとほと困難な乱雑不規則な機動に、接近戦を仕掛けると一定の距離を保ってこれを全力で回避。
まさしく追いかけっこ状態だが、あちらからはこれと仕掛けてくるようなそぶりがなかった。
ひたすら謎のにらみ合いだ。
これまでのMS戦では経験がないイレギュラーな相手機の挙動と無機質な反応に、ついにはこれとまともに付き合うべきか迷いが出る隊長か。
どうしたものかと考えあぐねるのに、よそから何の気もなしにしたようなおじさんがしれっと応じてくれる。
対岸の火事さながらで、これまた思いも寄らないすっとぼけた返事にムッと眉をひそめるガイアだった。
『なあ、ならいっそ無人機だったりするんじゃないのか? 案外と? 敵艦から遠隔操作されるなり、コンピュータ制御で相手機を牽制するような挙動を機械的にするだけだとか! 事実、あちらからはいっかなに攻撃らしい攻撃をしてこないじゃないか?』
「はあっ? 何をバカな……! 何の意味があるんだ??」
不審げに迷惑顔して聞き返すに、小型の画面の中の副官、ドレンは神妙な顔つきとなって返す。
『わからん! だが少し引っかかることがある。残る巡洋艦のやけに散漫な砲撃といい、新型と言っていいのかわからんそのジムの不可解な行動といい……!』
ちょっと思案顔で一度は言いよどむ中年太りの士官は、やがてまっすぐな瞳で戦場のパイロットたちへと語りかける。
『だったら、三人とも聞いてくれ! これはあくまで推測だが、この俺が思うに……』
戦闘はしばしの膠着状態に陥った。
まるで攻め気のない消極的な敵MS部隊に、今となってはこれと戦う意義すら見いだしにくい敵巡洋艦と……!
いっそのこと撤退命令を下してもいいくらいに思えるドレンだが、さすがにそれは百戦錬磨の猛者達が許すまいと言葉を呑む。
暗礁宙域のこちら側、ムサイ級のブリッジで憮然と考え込む副官どのだ。特設の戦況解析ブースで各種ディスプレイに映されたリアルタイムの現況を見ながらひたすら思案に暮れる。
すぐ隣で船の舵を取る青年の下士官が恐縮しながら伺ってくるのに冴えない表情で答える。

「あの、どうしましたか、中尉どの……?」
「いや、やっぱりつじつまが合わないと思ってな? おそらくは大尉たちがうまくやってくれるはずだが、俺たちは俺たちで飛んだ貧乏くじを引いちまったのかもしれない。はじめのサラミスのあたりで引っかかりはしたんだが……!」
浮かないさまの口ぶりに、きょとんとした操舵士の内心の困惑ぶりを汲んでわかりやすく説明してやる上官だ。
「まず今ガイアたちが対しているMSはどれも無人機に違いがない。つかず離れずでへばりついてばかりで、三機ともがきっちり同じ挙動をしているんだからな? 有人ならそんな無意味なことにはならないさ。あと人が乗っていると仮定したら、ありえない加速機動と回避能力だ。人間なら対Gスーツが保たないだろう。黒い三連星が攻めあぐねるなんてあたりが特に!」
「は、はあっ……あ!」
興味津々で上官の話を聞きながら、舵を取る手をそこそこにちょっと身を乗り出してディスプレイをのぞき見る若者だ。
それで偶然に自軍のMSパイロットどのと目が合ってしまったらしく慌ててこの頭を引っ込めた。
いかにも若いそぶりに苦笑いでもおおらかにドレンは応じる。モニターの中の不機嫌ヅラには目でまあまあと制しながら。
「そもそものところで言ってしまえば、はじめの駆逐艦もおそらくはただの無人艦だな! おまけでくっついていたボール型の戦闘艇もこれまた同じで。いくら何でもはばかられるだろう、乗員何百人もいる艦をたかがMSを撃破するために巻き添えだなんて? はじめからそのつもりの無人艦ならいざ知らずだ! いやはや俺、個人としてはそうであってほしい」
「はあっ……」
上背のある若いもんが、無重力の艦内でポジションがあやふや、足が床についていなかった。はたと首を傾げて猫背気味に肩の落ちているその右の肩口、パンと叩いてドレンは笑う。
「もっと柔軟に考えろ! いざって時の臨機応変さがなければ艦の舵なんて取れないだろ? ちゃんと足を踏ん張って、あとちょくちょくこっちの戦略コンソールを気にしてるみたいだが、あんまりよそ見してるとどやされるぞ? 俺は何も言わないけど!」
すっかり懇意にしている間柄の認識がある若者に屈託のない笑みを向ける気さくなおじさんだ。もうじき終わるから転進の準備をしておけとも言ってやる。
「ん、ほうら、おいでなすったぞ? 我らが黒い三連星の大立ち回りだ! 燃料タンクの容量はまだ余裕があるはずだから、転進したら最大戦速で飛ばしていい。どうせ追いついてくるだろ」
「りょ、了解……あ!」
ちょっと困惑顔でいながらまたもや、目の前であっけらかんと破顔するおじさんの手元のディスプレイをのぞいてしまう。
すっかりのぞき見がクセになっている操舵士だが、まさしくその動きが出る瞬間であった。
ダメだと言っているだろう?とドレンに尻をつねられて太い首をすくめさせる下士官くんだ。
「も、申し訳ありませんっ! あは、は……」
「気になるのは仕方ないよな? でもまあ気をつけてくれよ。バルダ曹長、おまえのことは信頼しているんだから……な!」
傍から見ればただのじゃれ合いか?
つかの間、お互いに苦い笑みで見合ってしまう。
この時、画面の中でむすりとしたひげヅラのオヤジがヘルメットのバイザー越しに見ているのを、ふたりは気づけていたか?
PartC
戦闘はまさしく膠着状態。
むなしく時間ばかりが過ぎていく……!
ひどくイライラして暗く狭苦しいコクピットの中で荒い息つく隊長機のガイアだが、果たして理由はそれだけだったか?
「くそったれが、いい歳こいたくされデブが人前でイチャイチャなんかするんじゃねえよ!」

思わず憎々しげな苦言を漏らして、それを不覚にも周りの同僚たちにも聞かれてしまう。
二番機のマッシュからただちに入電!
「ん、どうした隊長? なんかさっきからイライラしてないか?? まあ気持ちはわからんでもないんだが……」
「兄い! おれもイライラするぜえっ、こいつらうぜえぇっ!!」
すかさず左右の耳から入ってくるそれは気心知れた仲間たちのだが完全に的外れな返答には、ちょっと拍子抜けして怒っていた肩のあたりの力が抜けるガイアだ。
言えば一蓮托生の戦友であると同時、わざわざシェアハウスしてまで寝食を共にするまさしく家族も同然の間柄なのだが、一個人としてのパーソナリティが深く関わるところについてはまるで共有ができていなかったりする。
それで良かったのだろうが。
人間的に欠けているところだらけのポンコツの寄り合い所帯なのだから、ぬるいなれ合いなんて望むべくもない。
およそデリカシーだなんてものを持ち合わせていない性格粗野な弟分たちが、今となってはかわいくて仕方なかった。
ありがたいと思いながらも、ちょっとだけひがみっぽく口元のヒゲがゆがむ。
「ふん、おまえらにはわかるまいが? 今のこのオレの複雑にしてデリケートな胸の内は? だがストレス感じてるのは確かだからさっさと解消しちまおう、ようし、一気に仕掛けるぞ! まずは敵MSを各個に撃破! 間髪置かずに敵巡洋艦にアタックをかける! いいか、一撃で沈めるぞ!!」
「了解!!」
かけ声ひとつで一気に戦闘モードに突入する凄腕たちだ!
だがあいにくとこの空気感が伝わらない遠くの母艦のブリッジで、おやじの副艦長どのがのほほんと茶々を入れてくれる。
『なるほど了解だ! だが各自、この俺が言ったことをちゃんと考慮しておいてくれよ? 油断は禁物、相手は捨て身だからな! いざとなったらバックれちまって構いやしない!!』
「ぐぬ、ぬかしやがれ! ひとりだけ安全圏でぬくぬくイチャついてるヤツに言われたくはねえ!! さっさと片を付けたらきっちりとこの落とし前は付けてもらうぞっ!!?」
『お、おうっ? て、なんで怒っているんだ? あ、ひょっとして更年期ってヤツか、男の??』
「イチャつくってなんだ? あ、ガイア! タイミングちと早くありゃしないか??」
「えぇ? あのブリッジにそんなにイカしたおねーちゃんなんていたっけかい、ガイアの兄い?? おーい……!」
「かああっ、どうしてこのオレの周りはこんなにもデリカシーのないヤツらばっかりなんだっっ!!!」
魂の叫び!
すさまじい気迫だ。
おかげで一気にブースターの出力を上げて高機動型ジムに詰め寄るガイアのリック・ドム!!
ろくに反撃に転じるでもない相手機は無理な急加速の回避機動に機体を激しく震わせるが、何度もやられてとっくに動きを見切っていた隊長は歯をむき出して、さらなる急加速のGをおのが身に叩きつける!!
もはや逃がすまいとだ。
機体制御がバカ丸出しの相手に飛び道具の照準を合わせるのは不可能だとわかっていたから、奥歯をかみしめて左手のマニピュレーション・レバーを力一杯に押し倒す!!
虚空に突き上げられたMSの太い左腕が右肩に装備した長物の柄をガシリと掴んで、ただちに暗い夜空を一閃、ひと思いに力の限りなぎ払う!!
狙いはまさしく相手の胴体、こしゃくなジムのコクピットを一刀両断の勢いで機体の加速度もろともに叩きつけるガイアだ。
「逃がしゃしねえよ! どんなに逃げ足早かろうがこいつの長い射程から逃げられるヤツなんかいやしねえっ! ましてやこのタイミングではっ……!?」
背中から抜き出してコンマ一秒後には全体が灼熱の赤熱色に染まるヒートブレードは、ドム自体の全高にも匹敵する長大な刃渡りで射程が長いのが一番の強みだ。
ビームサーベル相手でもある程度ならチャンバラ可能だし、エネルギー効率を考えたらこれに勝るものはないとドム使いなら決して譲らない。

狙い通りに敵モビルスーツの胴体を捉えた灼熱の熱棒はそのまま機体を紙切れみたいに寸断する、まさにその瞬間、ガイアのヘルメットの中で今や誰よりも聞き慣れたおやじの声が弾けた!
『ダメだっ! 離れろ!! ガイアっ、緊急回避っっ!!!』
コクピットに鳴り響く警告音、明滅するモニター群、仲間達の叫び声、機体がきしむ摩擦音、敵MSの影がコクピットを飲み込む瞬間の息を呑むような静寂、直後のつんざくような警告音!!
目をひんむいて左右に握ったレバーを殴り倒し、足下のブーストペダルを親の仇くらいに思い切りに蹴り上げた!!
頭に来るおやじの怒鳴り声から瞬く間の出来事だ。
緊急離脱によるGで身体から血の気が失せるが、意識を飛ばすことなく浮いた身体をコクピットシートに尻から叩きつける。
「なあっ……くそったれめ!!」
横なぎの胴切りでそのコクピットごと真っ二つになる寸前、いきなりドムのボディにしがみついてきた敵のジムだ。
背後の巡洋艦から光りが瞬くのを見るよりも早くに全身を貫く稲妻のごとき危機感から、反射的にブレードの振りかぶりを相手の胴からこの腕を断つモーションに切り替え切断!
同時に太い足で相手のボディを蹴り上げ、その反動ごと機体を急速旋回させて敵艦の射線上から離脱、考える間もなく真上に向けて急上昇していた。
「……!」
足下で豆粒ほどになったジムが巡洋艦のビームの餌食となって爆発炎上するのをマジマジと見つめるガイアだ。
無性に腹が立つ。
何がって、憎いあんちきしょうが言ったまんまのありさまにまんまと翻弄されてる自分がだ。
するとちょっと冷めた調子でその当人が補足するかに語ってくれるのを、苦い表情で聞いていた。
ちょっと歯ぎしりしてしまう。
ぬううっ……!!
『ほうら、言ったとおりだろ? やっぱり自爆覚悟の無人型MSだって……! ちょっと危うかったんじゃないのか、大尉? ともあれでネタが割れたらやることはひとつだよな! 親玉のマゼラン(巡洋艦)は自爆もありうるから気をつけてくれよ?』
「ふん、偉そうに……! マッシュ、オルテガ、残りは適当に相手をしてやれ! トドメはオレが刺してくれる。おおらっ!!」
一気に背中のブースターを噴かして敵巡洋艦のブリッジの真上にまでつけるガイアのリック・ドムだ。
こんなに至近距離に詰めているのにまるで反応がない。
これに目の前の巨大な鉄の棺桶が無人の空っぽであることを実感する。ふざけた話だと苦虫噛みつぶしたような表情でギリッと奥歯を噛む隊長である。
「けっ、無駄弾は撃ちたくねえな? このまま勝手に自爆するって言うんなら? いや、撃たないと撃沈にはならねえのか? さっきのジム、あれって撃墜扱いでいいんだよな? おいっ……」
不機嫌にヘルメットの中でうそぶくのに、遠いブリッジからはどこか呆れたようなおやじの声が返る。
『まあ、そういうことでいいんじゃないのか? こっちでもモニターできてるし、他にいないんだし、実際にくたばっているんだし? 無人機でもな。サラミスもしかりで? あと、自爆モードはそいつの場合は他のヤツらも近づかないとおそらく発動しないぞ? ジムが全機大破して、さあいよいよってことにでもならない限りには??』
「ちっ! てめえで言っておいて、おまえが思う限りでだろ? ほんとにふざけた話だな! こいつめ、ひょっとしたらただの囮で、本隊は他にいたりするんじゃないのか? よもやあの補給艦も無人だなんて言いやすまいな……!」
苦々しげなセリフに、あちらからはしごく落ち着いた説明台詞がなされる。
『いや、むしろあっちこそが本命だろ! まんまとしてやられた。よくて引き分けか? あれ自身はおそらくは補給艦に偽装した高速輸送艇あたりだ。積み荷はあえて言うまい! 今さらだものな?』
「ふんっ……! 予備弾倉には手を付けないつもりだったんだが、あえてくれてやるよ。メインのブリッジつぶせば無人機も止まるんだろう、自爆するのか? おめえら気をつけとけよ」
今も無人機とやり合っている部下たちが元気な返事をくれるのを聞き流しながら、どうにもつまらない心持ちで右肩のバズの弾倉を交換して目の前に狙いを定める。
あるのは敵艦のメインブリッジの言うなれば平たい屋根だが、もう考えもなしにただ引き金を引いていた。
ドゴォンッ!!
至近距離で艦橋が大破、距離をさらに置いて、二発目、三発目をお見舞いする。
かくして全弾ぶっぱなす前に炎と煙に飲まれてゆく大型戦艦の最期を看取ってやるのだ。
結果を見れば、ガイアたち黒い三連星の圧勝。
だが――。
静まり返るコクピットで、なぜだか異様にむなしかった。
もとい理由はなんとなく思い当たるのだが、MS撃破と勝利に沸く仲間達の歓声を遠くに聴きながらひとりだけ深いため息なんかつく隊長だ。
「なんか、納得がいかねえ……なんだこれ?」
白けたまなざしを目の前に向けるにつけ、そこのディスプレイの一角に映り込んだ母艦のブリッジのさまにしごく納得がいく。
「仲良さそうだな? やけによ、へぇ、そいつはまた……」
言われた相手はカメラの画角から外れた誰かと目を見合わせて、こちらにきょとんとした顔を向けてくる。
『は? 何を言っているんだ?? まあとりあえず無事、ミッションクリアだ! 各機速やかに帰投してくれ。気をつけてな?』
「……そうだな。わかった。帰ってから話しをつけよう」
『は? さっきから何を言っているんだ??』
気がつけばすっかりと意気消沈。
傍から見れば謎のローテンションだった。
もはやろくな言葉もない隊長機は、二番機、三番機を残してさっさと戦域を離脱する。
来た時同様、暗礁宙域のど真ん中をぶち抜く直線コースだ。
はじめ怪訝にそのさまを見つめるドレンだが、何かイヤな予感めいたものを感じて横の操舵士に即座の転進と、最大戦速での現宙域からの離脱を命じていた。
背後から追ってくるドムの小隊に、なぜだか異様な寒気を感じていたのだから――。
ドレンとガイア ④
Scene1
敵・連邦部隊との戦闘を終えたガイア率いるリック・ドム小隊は、通常なら航行困難な暗礁宙域を再び渡って母艦であるこのムサイ級巡洋艦の元へと、全機が問題もなく無事に還ってきた。
いやはやさすがだな! まことにめでたい!!
ただしこの着艦に当たって、隊長機がちょっとゴネついたらしいのだが? その理由を聞くにあたり、あいつらしいっちゃあ、いかにもあいつらしいものだったから、ブリッジからこの様子を見に来たこの俺、艦隊副長のドレンである。
ま、もともと発艦していった宙域でこれを待つこともなく、さっさと艦隊進ませちまったからな! おまけに最大戦速で!!
ベテランの凄腕パイロットばかりなのだからそうそう問題はないはずだが、怒るヤツは怒るし、あいつは当然、怒る。
「……というか、元から怒ってたよな?」
内心で首を傾げながら艦の一番上に位置するメインブリッジから、艦底のMSデッキまで直通の艦内中央通路(通称・トンネル)を降りた先で、気圧差緩衝ブロック手前の扉の前に付ける。
ここから先のMSデッキはいわゆる空気のない真空状態で、艦外の宇宙空間と直結していることも多いことから、デッキの内部が酸素を含んだ清浄な空気と正常な気圧に満たされるまでの安全が確保されないと進入ができない。
ちなみ、そういった危険性を考慮して、この長い一本通路のトンネルを渡る時はノーマルスーツの着用が推奨されるのだが、あいにくとそういった面倒ごとが根っからイヤなおじさんである。
はっは、この俺が熱烈に推してる少佐なんかは、このMS搭乗時にだってパイロットスーツなんか着てやしないんだから!
ま、自己責任だな。
ともあれこの内側の状況をリアルタイムで示す表示ディスプレイを見るには……? そこが安全圏にあることを示す、緑色が点ったパネルの状態表示をじっと見つめてその内容を読み取る。
「お、メインデッキは正常値クリアしてるんだな? 二番機と三番機はもう着艦済みと! そういやさっきそれっぽいパイロットスーツとすれ違ったような? あいつら、無視しやがって……! ガイアの一番機は今、入ってきたところか? ふうむ、あいつめ、あんな横暴そうな顔と態度で、こういうところはやけに部下想いなんだよな……」
さっさとMSの収容を終わらせて仲間たちを休ませてやりたいという親心ならぬ隊長心なのかもしれないが、これにあたりちょっと頭の隅に引っかかるところがあるこの副艦長さまではある。
「あん、あいつら、やけに早くに自室に引き上げていったが、帰投後のメディカルチェック受けてないんじゃないのか? それで前もめてたよな??」
手近に艦内放送のブースがあれば大声でがなってやるところだが、あいにくとそんなものはないし、目の前のゴツい気密扉が開いてしまう。そうだ、この先でちょっと減圧するんだったか?
めんどくさいからとっとと済ませてデッキに入ることにする。
緩衝ブロックを抜けてMSデッキに出ると、そこはやたらとやかましい騒音と機械油のニオイに満たされていた。
そうか、今は空気があるからちゃんと音が伝わるんだな!
でないとこの俺も窒息死してしまうのだが、左右のハンガーに二番と三番のドムが収容されて、ちょうど真正面の真ん中のハンガーに隊長であるガイアの一番機が機体収容を完了したところらしい。仰向けの状態で機体各部をがっちりと固定されている。
これからメカニックスタッフたちによる点検整備だ。
おそらくは前準備なのか、ノーマルスーツ姿のメカニックマンたちがちょっと遠巻きに機体を眺めているな。
各種の機体情報と戦闘データの収集もしているのだろう。
ようし、良いタイミングだ。
そう思っていたら、これまたいいタイミングでMSのコクピットのハッチが開かれる。分厚い装甲隔壁の内部からひょっこりと黒い専用のパイロットスーツに身を固めた主が顔を出すのだ。
お、ガイアだな……!
ヘルメットを被っているから素顔が見えないが、三人の中ではやや小柄な小太りの野郎体型がそれだとわかる。
ここからじゃまだ声が届かないなと左右を気にしながら、このまま向こうまで行ってしまっていいものかと考えあぐねる。
部外者が出すぎたマネは危ないし迷惑だものな?
が、この時、この俺よりも一足先にそのリック・ドムに向けて無重力のドック内を浮遊しながら泳いで渡る人影があった。
デッキクルー用の簡易型ノーマルスーツを着たMSのメカニックマンだとひと目で見分けが付く。薄い緑色の生地に蛍光色の補強ラインが走る、独特な見てくれだからな。
「ん……! あんなヤツ、いたっけか?」
そいつは空気があるからメットもなしでその素顔をまんまさらしていて、見た感じ、大柄なデブの若い兄ちゃんみたいだ。
そう、おそらくは新人だな?
遠目にもかなり個性的な顔立ちをしているが、もとよりイケメンである必要もない。顔つきのいかめしいひげヅラのおやじには打ってつけだ。ここからでは何を言っているのかわからないが、どうやら満面の笑みでみずからが担当するMSのパイロットであるガイアにねぎらいの言葉をかけているようだ。しきりと。
まだそんなにさまになってない敬礼をひたすらに送っている。
あれ、なんか、なつかれてたりするのか? 若いヤツに意外にも?? 人望あんのか、あんなんで!!
傍から目を白黒させてそのさまを見てしまう俺だった。
周囲のクルーの動きを見ながら、こちらも慎重に無重力のデッキ内を浮遊して泳いで渡る。
そうれっ……と!
だがおじさんの宇宙遊泳は傍目にはかなり滑稽なんだよな?
仕方ない。
それでいざ近づくと思ったよりもこの周囲が熱い熱気で満たされているのに、慌ててコース取りを変更した。
あっち! まずい、ロケットエンジンやバーニアが集中している足下側じゃなくて、さっきの若いのが近づいて行ったみたいなメインカメラの頭上やコクピットと同一線上の脇腹あたりから攻めないとダメなのか! たく、あいつらバーニア無駄に噴かしすぎてやすまいな?
パイロットとメンテナンスを真上から見る状態でしばしデッキに浮遊してしまう副艦長だ。みんな声を掛けずらいみたいだな。
「ようし、今度こそ……」
整備用に張り巡らされたラインやら何やらを取っかかりにすっかり肥満気味の身体を真下に向けて固定、どのくらいの力加減で飛び立てば無難に目的地までたどりつけるか算段する。
お山の大将と整備士くんの会話が気になるので耳をそばだてながら、タイミングを見計らった。
さっきよりは近づいたからそれなり聞こえるのだが、やはりまだ若い新人のメカニックみたいだな?
たどたどしい会話にちょっと好感が持てるおじさんだ。

「あっ、あのっ、あのあの、聞こえるでありましょうか? 大尉どのっ! たっ、大尉どのっ、あの~~~、あのであります、ガッ、ガイアっ、あの、おつかれさまでありますっ!! 無事のご帰還何よりでありますっ、聞こえてないのでありましょうかっ? だっ、だったら、大好きでありますっ、昔から大ファンでありますっ! 黒い三連星、めちゃくちゃカッコイイでありますっ!!!」
ちょっと耳を疑う俺だった。
コイツ、なに言ってるんだ??
たぶん相手が聞こえてないのだろうから最後のあたりはぶっちゃけているのだろうが、あいにく背後で聞いてるヤツがいる。
まあこのぶんなら周りにも触れ回ってみんな周知のことなんだろうが。でもそのクセ本人には伝えてないのか?
ということは……。
「あいつも隠れて推し活してるのか! めちゃくちゃ不器用だな! というか、メカニックにそんなヤツがいるの、めちゃくちゃパイロット冥利につきるんじゃないのか? 打ってつけすぎる!!」
感心を通り越してもはや感動すらおぼえる同じ推し活の同士のおじさんが見ている前で、健気な新人メンテナンスの若者は推しの凄腕パイロットの間近にまで迫った。
胸の内バクバクなんだろうな? いやいや、顔が真っ赤だろう! なんでそんな老害みたない中年パイロットに?
見ているこっちまでハラハラするが、果たして周りの気配にやっと気がついたらしい当の推し、もといリック・ドムの使い手のパイロットスーツは、おもむろにこのメットのバイザーを上げてその素顔をさらす。じぶんを真上から見下ろしている熱烈なファンに、じろりと冷めた視線を向けた。でぶちんくんの身体がびくっと硬直するのが後ろで見ていてわかったが、すぐにも脱力するのがこれもまたはっきりとわかった。かわいそうに。
「んっ、なんだ、またおまえか? いちいち出迎えになんて来なくていいと言っただろう! 仕事をしろ、おまえの仕事はコイツの面倒を見ることなんだから。違うか?」
「もっ、もちろんそのつもりでありますっ! でで、ですが、大尉どのの調子とご意見を伺うのも大事な仕事でありますっ! お心遣いありがとうございます!! とにかくご無事でなによりでありますっ、じぶんは、その、とても光栄でありましてっ、泣きそうでありますっ!!」
「は、何がだ? おまえ変なヤツだよな? まだ若いくせに腕はいいから文句はないが、もうちょっと肩の力抜いたらどうだ? 緊張しすぎなんだよ、見ていてこっちが疲れる! あとおまえ、名前なんつったっけ? デイビッド? 覚えてやるから」
名前もまだろくに覚えてもらえてないのか。
がっくりと落ちる肩に、もっとがんばれと念を送りながらこの推し活おじさんもただちに援護射撃に撃って出た。
余計なお世話にならないように気をつけながら。
「ガイア大尉! おつとめご苦労!! また戦果を上げたな? 三人そろって老後は安泰だ。うらやましい限りだよ! よう、おまえもありがとうな! はは、俺にも名前、聞かせてくれないか?」
「なんだ、横からいきなり? ブリッジの人間がこんなところに我が物顔で出しゃばって来るんじゃねえよ、あとよくも置いて行きやがったな! おまえにはいろいろと話があるんだっ……」
「わかった! 後で聞く。それよりも今は取り込んでいるんだろう? な?」
はいはいと肩をすくめさせながらニヤけた視線を緊張した面持ちで固まる若手のメカニックに向けると、なおさら緊張した不細工くんは無理に直立した姿勢を取って律儀な敬礼を返してきた。
けっこうけっこう! これは俄然応援してやれるぞ。
やることなすこと初初しいメカニックスーツの青年は、ちょっとうわずった調子で声を張り上げる。よっ、青春!
「はっ、は! お気遣いありがとございますっ!! じ、じぶんはっ、でい、デーミスと、いいますっ、MS09およびMS15系限定のメンテナンス技術兵としてこちらに配属されました! まだ若輩者ながら、どうかご指導よろしくお願いします!!」
「ほお、そうか。デーミスだな。やけに若いと思ったら、ドムとゲルググあたりに限定って、そりゃ仕方ないよな! こんな最前線のとっちらかった現場に放り込まれちまうのも? まあ本人的には、願ったり叶ったりなんだろうが……おほん!」
「デーミスか、とりあえず覚えてはやるよ。ザクは見れねえのか? 使い勝手が悪いヤツだな! 一番汎用性が高い機体なのに、現場なら基本中の基本だろうさ」
「は、はあっ、じぶんはその、大尉どのの大ファン、あ! じゃなくて、ドムのような独特かつ重厚な機体が好みでして、おまけにこのガタイですので、おまえはあっちのいかついのやれっ! てよく周りからも言われてしまいまして……!」
「おまえ、バカなのか?」
「おほん! 昨今は人員から何から逼迫(ひっぱく)していて、現場に早急に人手を送り出すためにはもはや仕方がないんだよ。新型機が出回っても現場がそれに付いていけなくちゃどうにもだろう? このデーミスみたいな即戦力は必要不可欠なんだ、おまえもちゃんとファンサ……じゃなくて、世話してやれよ。こんな有能な味方、そうはいないぞ?」
「何を言っているんだよ? おい新人、そういやおまえが言っていたこと、それなりには役に立ったぞ? 上から下までフル装備じゃなくて獲物をしぼって機体をスリムにしたほうが、障害物だらけの暗礁宙域を突破するには適当だろうっての、いざやったらみんな納得だ。ありがとうよ」
「そ、そんな、もったいないお言葉! はっ、めちゃくちゃ感動であります!!」
「俺だってそのくらい言うぞ? ちゃんとデーミスって呼んでやれ。バカは誰なんだか……! まあいい、話の前にやることやっておこう。忙しいところ悪いが、おまえも手伝ってくれないか? まずはこの大尉どのを医務室に連れて行く! 任務終了後のメディカルチェックはパイロットの義務なんだからな? ようし、暴れられたらあぶないからおまえもそっちから抑えてくれ、この素行不良のエースさまを!」
「なんでそうなる? 必要ない、オレはピンピンしてる。時間の無駄だろう、おいっ、なんだ!」
ファンサービスがからきしできやしない有名パイロットを脇から抑えて、もう一方の脇を押さえろとデーミスにうながす。
はじめ目を白黒させてたじろぐオタクの青年は、なおさらその顔を真っ赤にさせて、大きな深呼吸して覚悟を決めたのか?
みずからの緑のノーマルスーツを黒いパイロットスーツへとぐぐっと強く押しつけた。しっかりと推しを確保だ。
よしよし、しっかり感触を覚えておくんだぞ、なんなら頬ずりしたっていい! セクハラなんて言わせやしないさ。
当人、わざわざヘルメットを脱いで来たってことは、それだけ身近にこのおっさん兵士の息づかいを感じたかったんだろう。
健気で献身的なガチのファンだ。いくらだってやりがい搾取できるぞ? いや、させやしないが。本人も無自覚だからな!
「し、失礼いたします、ガイア大尉どの! わあ、思ったより小柄だけど筋肉質であります! さすがであります!! ジーク・ジオンでありますっ! めちゃくちゃ感動でありますっ!!」
感情が爆発しているらしい。
今や全身身震いさせて黒い猛獣にしがみつく怖い物知らずの若造に、ただごとでない親近感がわくおじさんだった。
「おまえ、ほんとうにバカなんだな! いや、いいことだ。上官としてとてもありがたい! 負ける気がしないからな! その調子でこれからも黒い三連星のバックアップは任せるぞ、もっとしっかり掴まないと逃げられる! 羽交い締めにしてやれ!!」
「りょ、了解! し、幸せでありますっ!!」
「な、何をしやがるっ、こら、離せっ! おい若造、調子に乗るなよ、このオレは黒い三連星のガイアだぞ!?」
「だからだよ! いいファンがついて鬼に金棒だろう? 連邦の白いヤツとの再戦も間近かもしれないが、少佐以外にも勝ちが見えてきたのかもしれないな! けっこうけっこう!!」
作戦終わったばかりなのに元気に暴れる隊長を二人がかりで医務室まで送り届けて、無事に今回の強襲作戦を終わらせた艦隊副長の俺であった。かくして推しは違えどおなじ推し活の友を得て、殺伐とした戦場にある種の潤いを感じられたよい一日だ。
ああ、まことにめでたい! まさしく推し活万歳だな!!
最後にブリッジに戻ったら、艦内の戦闘態勢を解除していなかったことを推しの少佐にやんわり指摘されて、あえなくこの顔が真っ赤になるおじさんである。うわ……!
ほんとにバカばっかりだ。
合掌――。
Scene2
俺の名は、ドレン。
赤い彗星こと、シャア・アズナブルが率いるムサイ艦隊の副艦長を務めている。階級は中尉。忙しい軍務を日々こなしながら、影ながら推しである少佐の推し活に励んでいる。
最初から最後までドタバタ続きだった強襲作戦が無事に終わり、今は自室にこもって鋭気を養う副艦長のおじさんだ。
戦士にも休息は必要だ。
プロット
Scene1
ムサイ級 MSドック ← ドレン
黒い三連星のリック・ドム帰還 ガイア
MSデッキ 戦闘態勢解除につき、 空気あり
メディカルチェック メカニック(デーミス?)
メカニックはガイアの大ファン?ガイアは無関心
Scene2
ドレンの個室 ← ガイア(制服?)
少佐の戦闘データ(動画)入手
ガイアは操舵士とドレンの仲を疑っている。